国賓として英国を公式訪問した天皇、皇后両陛下。それぞれ留学していたオックスフォード大を訪れ、「学び」の日々を振り返られた。勉強熱心で、「学び」を続ける皇族方を紹介する(この記事は「AERA dot.」に2023年8月27日に掲載された記事の再配信です。肩書や年齢等は当時のもの)。
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海外の王室や賓客を接遇し、世界に適切な情報を発信する役割を担う皇室メンバーにとって、語学力は必須のスキル。しかし、英語のスピーチを聞くと、必ずしも流暢とは思えなかったりする。英語が得意な皇族の中でも英国留学の経験があり、英語に堪能な天皇陛下だが、間近で陛下を見てきた識者が口をそろえるのは、その高い語学力のみならず、コミュニケーションのための気遣いの細やかさだ。
“I hope that automatic control continues to contribute to the technologies for appropriate and efficient distribution of water resources around the world.”(世界各地の水資源を適切かつ効率的に配分する技術に、自動制御が引き続き寄与することを期待しています)
横浜市で7月に開催された、システム制御に関する国際会議に天皇陛下と雅子さまが出席。そこで披露された天皇陛下の英語のスピーチが、ちょっとした話題になった。
「陛下の英語は、抜群に発音が滑らかかといえば、そうとは言えない。しかし、聞き取りやすく、誰が聞いても理解しやすい」
そう感心するのは、「外交官の『うな重方式』英語勉強法」の著者でもある、多賀敏行・中京大学客員教授だ。多賀さんは外務省から宮内庁に出向し、平成の天皇に侍従として仕えた経験がある。