尾崎世界観『転の声』が【第171回芥川賞】候補作に選出
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 尾崎世界観(クリープハイプ)による小説『転の声』が、【第171回芥川賞】候補作に選出された。

 『文學界 2024年6月号』に掲載された『転の声』は、【第164回芥川賞】候補作となった『母影』以来、3年半ぶりの尾崎世界観による中篇小説(約230枚)。舞台は、ライブチケットの転売が今よりも市民権を得ている社会。ロックバンドのフロントマン・以内右手は、長引く喉の不調が招く不安に追い詰められ、カリスマ“転売ヤー”に「俺を転売してくれませんか」と縋りつく。自分たちのチケットが高額取引された痕跡をファンのSNSで確認するたびに、湧き上がる後ろめたい喜び。本作はそんな“虚実皮膜のバンド小説にしてエゴサ文学の到達点”となっている。

 なお、7月11日には単行本『転の声』が発売予定。


◎本情報
『転の声』
著者:尾崎世界観
発売:2024年7月11日
定価:1650円(tax in.)