ミック・ジャガー、自分の名を冠したサンドイッチの誕生を喜ぶ「キースとロニーとでショーの後に食べる予定」
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 2023年10月、ザ・ローリング・ストーンズが米ニューヨーク・マンハッタンの小規模なロック・クラブ、Racket NYCで最新アルバム『ハックニー・ダイアモンズ』を発表した時、650人収容の会場にセレブが集い(サプライズで披露されたレディー・ガガとのデュエットも含め)盛り上がった。

 現地時間2024年5月23日、バンドは隣接州であるニュージャージーのイースト・ラザフォードにある巨大なメットライフ・スタジアムで【ハックニー・ダイアモンズ・ツアー】のコンサートを開催し、80,000人以上を収容する会場で公演を行った。スターと一般人の比率は、7か月前のアルバム発表パーティーよりも当然低かったが、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ロニー・ウッドは、幸運なエリートたちのために控えめに披露された7曲のライブよりも、数万人のための2時間のセットの方がよりゆったりと、よりハッピーに、そしてより気楽に演奏しているように見えた。

 腰をくねらせたり手をヒラヒラさせながら最高のパフォーマンスを見せたミックは、「Shattered」をツアーで初披露し、「Angry」のような新曲を届け、「Miss You」ではブルースハープを鳴らしていた。キースはいつものようにギターのグルーヴを見つけてそれに集中し、時折笑顔を見せたりバンド・メンバーと笑い合ったりしていた。48年経っても新人扱いのロニーは、一緒に歌い踊る人々の大群を見渡しながら、少し畏敬の念を抱いているようだった。

 バンドを紹介しながら、ミックはロニーのことを“ブロンクスのボッティチェリ、マンハッタンのモネ、ブルックリンのバスキア”といたずらっぽく称えた。英ミドルセックス生まれのギタリストにはどれも当てはまらないが、ロニーは「You Can't Always Get What You Want」の熱烈なソロ・スポットライトで、その芸術的な才能を発揮していた。

 セットリストにあるファン投票曲「Wild Horses」を披露する前にミックは観客に、「11月にはもっと大きな投票があるね」と言った。その後、彼はトランプ前米大統領を揶揄する発言を我慢できなかったようで、「ちょっと天気が心配だったんだ。ストーミー・ダニエルズのようなことが起きるんじゃないかと思ってね」と、口止め料絡みの刑事裁判の関係者であるアダルト・スターの名前とかけたジョークを飛ばした。

 ミックはまた、以前現地を訪れた際に立ち寄ったザ・ティック・トック・ダイナーというレストランにも言及した。2019年にバンドの【ノー・フィルター・ツアー】で同じステージに立っていた彼は、この地元人気店をシャウトアウトし、「テイラー・ハムとディスコ・フライドポテト、そしてスロッピー・ジョーをテイクアウトした」と観客に語っていた。今回のコンサートで彼は、「前回(ここで演奏した時)、ティック・トック・ダイナーというダイナーに行ったと話した。で、(今回の)コンサートに行く途中にそこに寄ってみたら、新しいサンドイッチがあるのを知ったんだ。“ミック・ジャガー”っていうんだよ。自分の名前がついたサンドイッチなんて食べたことがなかったから、すごく、すごく満足している。俺とキースとロニーとでショーの後にそれを食べるんだ」と続報をファンに届けた。

 “グリマー・ツインズ”は80歳を迎えてもなお輝き続けているが、英国を代表するヒットメイカーたちがいつ、このような大規模ツアーで戻ってくるかは誰にもわからない。少なくとも、彼らの【ハックニー・ダイアモンズ・ツアー】(と、ザ・ティック・トック・ダイナー)は、生ける伝説を祝うためにファンに美味しくて満足できる何かを与えているようだ。