わたしに元気をくれる人たちがいる。
そんな人たちを紹介したい。
世の中には、障がいをもった人たちがたくさんいる。
そして、障がいをもった家族と共に生きている人たちがいる。
また、そんな人たちを支える職場や社会がある。
そして、それは他人事じゃない。
超高齢社会になるということは、いつ自分たちも障がい者になるかわからないし、いつ、障がい者の家族をもつことになっても不思議じゃないということ。
わたしの大好きな広島の得本令子さん。
彼女は、出生時未熟児で黄疸がひどかったため、脳性マヒの症状が残った。
それもかなり重症。機能障害と言語障害がある。
でも、普通小学校に行き、大学を卒業した後、一年就職浪人して市立図書館の司書になった。
障害はあるけれど、これからも他の人と大差ない楽しい生活が続けられると信じて、張り切って就職したものの、数年間は単純作業しか与えてもらえなかった。
それだけでなく、辞職するように仕向けられた。
けれども彼女は腐らずに、文章力を養ったり、セミナーに行ったりして、他の人にはない力をつけることに努めた。
気がつくと、文章力と企画力を認められ、広島市立図書館初の有料事業を任せられるようになっていた。
ところが、一人娘は、出産時の陣痛促進剤の副作用で最重度の障害が残った。
夫も障害をもっている。
けれど、彼女は、定年まで勤めた後、
「最も弱者といえる娘のような人たちが、親亡き後も地域で普通に生きていくことのできる社会にすることが、自分の天命」
だとNPOを起ち上げた。
そんな彼女は、
「いっぱいメッセージしたいことがある」
と、わたしの決して安くないセミナーに広島から東京まで毎月通ってきた。
しかも、明るい。
言語障害をパソコンで文字を打つことでカバーして、コミュニケーション。
「大谷さんの講演会を広島で開催して、たくさんの人に聴いてほしい」
と、地域や仲間を巻き込んで、講演会を開催してくれた。