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城田というフィルターを通してではあるが、クオリティーが高いものに触れ、劇場に足を運ぶ観客たちの目もどんどん養われていく。そんな循環を期待している。
13歳で芸能界に入り、10代後半で数多くのミュージカルの舞台に立ち、経験を積んだ。
2016年にミュージカル「THE APPLE TREE(アップル・ツリー)」で初めて演出を手がけ、19年にはミュージカル「ファントム」で主演と演出を務めた。劇場が集まるロンドンのウェストエンド地区でも、米国のラスベガスでも、浴びるようにショーを観てきた。次第に、「東京で海外クオリティーのものをつくりたい」「日本から世界へ発信したい」という思いが芽生えるようになった。
出会いはいつも新鮮
「日本」と「世界」という二つの視点を持つ、自身にとってのターニングポイントはどこにあるのか。
そう尋ねると、「ターニングポイントがね、僕は一つ挙げるのが難しいんです」と、返ってきた。
「ミュージカル『ピピン』の演出家、ダイアン・パウルスさんからは『ハイクオリティーとはどういうことか』を教わりました。演出家の宮本亞門さんからは、舞台に立つことの恐怖心を薄めてもらう、一つのきっかけを頂いた。小池修一郎さんには、城田優の可能性を広げてもらいました。僕は毎回、出会いを新鮮に感じるタイプなんです」
いつも、“真のエンターテインメントとはなにか”を模索しているように見える。国内外の多くの才能によって育まれてきた確かな目を武器に、新たな才能をより広い世界へと送り出そうとしている。(ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2024年5月13日号
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