テイラー・スウィフトの「フォートナイト feat. ポスト・マローン」が2週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
先週(2024年5月4日付)自身12曲目、初登場としては通算7曲目の1位を獲得した「フォートナイト」は、 2週間という意味をもつタイトルの通り、今週(2024年5月11日付)2週目の1位を獲得した。なお、同様のケースではベアネイキッド・レディースの「ワン・ウィーク」が1998年10月17日付で1週間1位を獲得したことがある。
テイラー・スウィフトは、「フォートナイト」が2週間1位を獲得したことで首位獲得総週を36週目に更新し、34週で並んでいたアデル、エルトン・ジョン、ブルーノ・マーズを上回り史上9番目に記録を更新している。
93週 マライア・キャリー
60週 リアーナ
59週 ザ・ビートルズ
56週 ドレイク
50週 ボーイズIIメン
47週 アッシャー
46週 ビヨンセ
37週 マイケル・ジャクソン
36週 テイラー・スウィフト
34週 アデル
34週 エルトン・ジョン
34週 ブルーノ・マーズ
「フォートナイト」は、登場2週目となる今週(2024年4月26日~5月2日)、ストリーミングが3,820万回(50%減少)、セールスも6,000(68%減少)にそれぞれ数字を落としたが、エアプレイは7%増加の3,330万回に上昇。ストリーミング・ソング・チャートでは2位、デジタル・ソング・セールス・チャートでは4位にランクインして、エアプレイ・チャートでは先週の14位から11位に最高位を更新した。
「フォートナイト」が収録された最新作『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』も、今週のアルバム・チャート“Billboard 200”で2週目の首位をキープしている。
その『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』のリリース効果により、先週TOP14を独占したテイラー・スウィフトの曲は、今週「フォートナイト」の他、9位に「アイ・キャン・ドゥ・イット・ウィズ・ア・ブロークン・ハート」、10位に「ダウン・バッド」がランクインしたが、その他の7曲はTOP10以下に順位を下げている。
続いて今週2位には、米ワシントンD.C.郊外出身のシンガー/ラッパー=トミー・リッチマンの「ミリオン・ダラー・ベイビー」が初登場して、自身初のTOP10入りを果たした。
4月26日にリリースされた「ミリオン・ダラー・ベイビー」は、TikTokで人気を博したことで初週ストリーミングが3,800万回、エアプレイが30万2,000回、セールスは4,000を記録し、ストリーミング・ソング・チャート、R&B/ヒップホップ・ソング・チャート、R&Bソング・チャートの3つのチャートで1位を獲得した。
なお、週間再生回数は「フォートナイト」が3,820万回で2位、「ミリオン・ダラー・ベイビー」が3,800万回で1位ということに矛盾が生じるが、ストリーミングの集計方法は定額制の有料サイトや広告付きのものなど、再生されたサービスによって比重が異なるため、ストリーミング・ソング・チャートの順位が入れ替わることがある。
トミー・リッチマンにとって、Hot 100でのランクインは「ミリオン・ダラー・ベイビー」が初のタイトルだが、2023年にはゲストとして参加したブレント・ファイヤズの「アップセット」が、R&Bソング・チャートで12位、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートで33位を記録している。なお、Hot 100にランクインしたことがなかったアーティストによる初登場での順位としては、2023年8月26日で1位にデビューした米バージニア州出身のシンガーソングライター=オリヴァー・アンソニー・ミュージックの「リッチ・メン・ノース・オブ・リッチモンド」以来の最高位となる。
続いて今週3位にも、米バージニア州出身のシンガー・ソングライター=シャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」が先週の27位からジャンプアップして、自身初のTOP10入りを果たしている。
「ア・バー・ソング(ティプシー)」は、今週の集計期間にストリーミングが3,500万回(67%増加)、エアプレイが140万回(741%増加)、セールスは21,000(50%増加)にそれぞれ大きく数字を伸ばし、デジタル・ソング・セールス・チャートとカントリー・ソング・チャートでそれぞれ2週目の首位を獲得した。
「ア・バー・ソング(ティプシー)」には、2004年に最高2位を記録したラッパーのJ-クウォンによる同名曲「ティプシー」がサンプリングされていて、原曲は間接的に20年ぶりのTOP10入りを果たしたことになる。
シャブージーの曲がTOP10入りするのは「ア・バー・ソング(ティプシー)」が初めてだが、2024年4月13日~20日付で2週間1位を記録したビヨンセの最新作『カウボーイ・カーター』にゲストとして参加した「スパゲッティ」が31位、「スウィート★ハニー★バッキン」が61位にランクインしたことがある。
今週4位には、米ペンシルヴァニア州出身の女性シンガー=サブリナ・カーペンターの「エスプレッソ」が先週の22位から上昇し、4月27日付で記録した7位を上回る最高位を更新した。各ポイントの上昇率も高く、ストリーミングは27%増加の3,080万回、エアプレイは73%増加の1,390万回、セールスも13%増加の4,000にそれぞれ数字を伸ばしている。
前述の通り、先週上位を独占したテイラー・スウィフトの曲がランクダウンしたことで、ベンソン・ブーンの「ビューティフル・シングス」は先週の15位から5位に浮上。テディ・スウィムズの「ルーズ・コントロール」も18位から6位に上昇して、エアプレイ・チャートでは4週目の首位を獲得した(週間7,040万回)。
今週の2位から6位にチャートインしたトミー・リッチマン、 シャブージー、 サブリナ・カーペンター、 ベンソン・ブーン、 テディ・スウィムズは、それぞれの曲がいずれも初のTOP10入りしたタイトルで、 2022年6月25日付でケイト・ブッシュの「神秘の丘」(5位)、グラス・アニマルズの「ヒート・ウェイヴス」(6位)、ラトーの「ビッグ・エナジー」(7位)、チェンチョ・コルレオーネの「Me Porto Bonito with バッド・バニー」(8位)、Joji(ジョージ)の「グリンプス・オブ・アス」(10位)が5曲、それぞれ初のTOP10入りして以来のチャート・アクションを展開した。
以下、ホージアの「トゥー・スゥイート」が先週の16位から7位に上昇し、ロック&オルタナティブ・ソング・チャート、ロック・ソング・チャート、オルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれ6週目の首位を獲得。フューチャー、メトロ・ブーミン、ケンドリック・ラマーの「ライク・ザット」は17位から8位に浮上し、ラップ・ソング・チャートで6週目の首位を獲得した。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは5月10日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「フォートナイト feat. ポスト・マローン」テイラー・スウィフト
2位「ミリオン・ダラー・ベイビー」トミー・リッチマン
3位「ア・バー・ソング(ティプシー)」シャブージー
4位「エスプレッソ」サブリナ・カーペンター
5位「ビューティフル・シングス」ベンソン・ブーン
6位「ルーズ・コントロール」テディ・スウィムズ
7位「トゥー・スゥイート」ホージア
8位「ライク・ザット」フューチャー、メトロ・ブーミン、ケンドリック・ラマー
9位「アイ・キャン・ドゥ・イット・ウィズ・ア・ブロークン・ハート」テイラー・スウィフト
10位「ダウン・バッド」テイラー・スウィフト