――男性はドライサウナが好きな人が多いんですよ。すごい高温で、もう10分ぐらいしか入れないようなサウナで。僕も、昔はドライサウナで汗をたくさんかいて、水風呂にダーンと入らないと、やった気になれないところはありました。最近は、あれは干からびてるんじゃないのかなって感じるんですよ。

小柳:そうですね。私もジムでドライサウナは入ったことがあるんですけど、肌がヒリヒリするんです。ヒリヒリするのはいいことじゃないので、ある程度ウエットな状況のほうがいいと思います。

 それにしても、最近は汗をかけない人が多いですね。当院はインディバという高周波の治療器があって、深部加温をするんですけども、スポーツしてない方は全然汗をかかない。どこか体調が悪いことを「不定愁訴」というんですけど、そういう方は眠れないとか、腰痛があるとか、いつもイライラしているとおっしゃいます。普段から汗をかいて、代謝を向上させておくのが不定愁訴の予防になるんです。

――よく汗腺が開くというじゃないですか。あれは、ほんとに開くんですか。

小柳:開きますね。鍛えてないと汗を流せないと思うし、代謝してないと変なニオイの汗をかくともいいます。いわゆる加齢臭です。男性も汗を普段から流しておくと、下り坂になってもニオイが気にならなくなると思います。

●簡単そうに見えるポーズでも効果がある

――先生のお気に入りのポーズってありますか。

小栁:ダウンドッグは最近好きです。全身気持ちいいなあって思います。ヨガをやる前、雑誌に載っていた写真を見た時は、「えっ、これ運動?」みたいな気がしてたんですけれど、実際にやってみると、ちゃんと両手の平にも力が加わって、お尻を後ろのほうに高く上げるようにすると、全身にピーンと電気が走るように力が入るので、「ああ、気持ちいい」ってなるんですよね。

――それはすごいですよ。あれはヨガの基本ですよね。僕なんか肩とかすぐパンパンになっちゃうんです。ベンチプレス200キロ上げろって言われたほうが楽です(笑)。

小栁:ものすごい関節を使う感じがしますよね。股関節を開けるとうつうつとした気分がなくなりますよってインストラクターの方に教わってから、股関節を伸ばすポーズも好きになりました。

 ダウンドッグから起立の姿勢になるポーズがありますよね。私、心肺機能があまり強くないらしく、ヨガを始めたばかりのころは立つと起立性低血圧になっちゃって、全然できなかったんですね。最近は立つところまでできるので、何歳でも訓練すれば体は応えてくれるのかなと思います。これからもヨガは毎週通い続けます。

*  *  *

 ダウンドッグ(下向きの犬のポーズ)は、四つん這いの状態から両膝を持ち上げて、そこから腰を高く伸ばした山のようなポーズのこと。伸ばす時は両足を地面につけたまま、腕も膝もまっすぐ伸ばすので、簡単そうに見えて男性にとってはかなりハードなポーズである。肩こりを緩和し、体幹を強化する効果があるので、ぜひ試してほしい。

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