女性アイドルグループとして数々の偉業を達成してきた、ももいろクローバーZ。結成15周年の集大成アルバム「イドラ」に込められたグループの過去と未来を語った。AERA 2024年4月29日-5月6日合併号より。
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――結成15周年の集大成として、「アイドル」をテーマに制作された5月8日発売の7thアルバム「イドラ」。タイトルはラテン語で「偶像」の意味を持つ。
百田夏菜子:アイドルとして活動してきた15年間の冒険が詰まった新曲が多い。歌唱が難しい曲がどんどん増えています。「追憶のファンファーレ」では挫折が描かれていて、いろいろな経験をしてきたからこそ乗せられる思いがあると感じました。
高城れに:昔は「がむしゃらに頑張っていこうぜ!」という曲が多かったですが、寄り添うことを学んでからは、私たちも元気がない時があるということを楽曲で提示するようになりました。アンパンマンだって顔が濡れたら力が出なくなる。そういうことも経験しながら強くなって、一緒に歩んでいこうという思いもこもったアルバムです。ポップな曲が多い中で最後の「idola」で全部が回収される感覚を覚えました。同時にアイドルとしての覚悟がこの先も続いていくというメッセージをお届けできればいいなと思ってレコーディングに臨みました。
佐々木彩夏:アイドルがテーマだと聞いた時はブリブリで可愛い感じの曲を歌えるのかなとワクワクしたんですけど……。
百田:一曲もなかったね(笑)。
佐々木:全部が思っていたのと違った。でも、神様やヒーローを用いてアイドルを表現するのはももクロらしいし、15年間やってきた私たちならではのアイドルの奥深さが表現できると思いました。
考察が浮かんでくる曲
玉井詩織:いろいろな曲が入っているので、どれか一曲は皆さんが思い描くアイドル像やももクロ像に近い曲があるんじゃないかと思います。新曲は本当に変わった曲ばかりです。そう考えると、既発曲は割と王道でストレートな曲が多いよね。
佐々木:百田夏菜子さん作詞作曲の「一味同心」(楽天・田中将大投手の2022年の登場曲)も含めてね。
玉井:うん。「一味同心」はまずメンバーが作詞作曲をするということがすごく新鮮で。マー君に向けて作られた曲とはいえ、これまでメンバーと一緒に見てきた景色が心に浮かびました。勇気づけられましたし、こういう気持ちで一緒に進んできてくれているんだという夏菜子の思いを感じ取れて嬉しかったです。