第96回アカデミー賞(R)で日本映画初の視覚効果部門を受賞した「ゴジラ-1.0」の山崎貴監督。特殊撮影(特撮)やCGを使って表現する「VFX」を得意とする山崎監督ですが、その仕事は一体どのようなものなのでしょうか? 小中学生向けのニュース雑誌「ジュニアエラ」(朝日新聞出版)のインタビューから、子どもたちへのメッセージとともにお届けします。
【写真】山崎監督の手書きのゴジラはこちら映画の脚本を書くことが一番大変
ーー「映画監督」ってどんな仕事ですか?
今回の作品「ゴジラ-1.0」で、私は監督・脚本・VFXを担当しました。最初の大仕事は映画の脚本を書くことから始まりますが、ここが一番大変なところです。脚本が決まると同時に、出演者のキャスティングをしていきます。また、どの場所で撮影し、どの部分はCGにするかなどを決め、全編のイメージを明確にする「絵コンテ」をつくります。その間、美術や衣装などのチームや、カメラマン、照明などの技術チームとの打ち合わせを重ねていきます。
念入りに準備をしたら、いよいよ撮影スタート。俳優さんの演技を指導し、OKを出すのも監督の大切な仕事です。撮影が終わったら、映像編集の作業へ。出演者の声や効果音、BGMを重ねたり色調整をしたり、CGを合成したりして、いろんな素材を集めて一本の映像をつくり、ようやく作品が完成します。
一本の映画をつくるのに数年、そのすべての工程で最終決定をするのが私の役割です。そこでは「自分の心が動くかどうか、ワクワクするかどうか」というのを一番大切にしています。
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