「モテの強み」を拒絶しないで
たしかに若い私はいい車に乗ったお金持ちということで最初に彼に目がいったのかもしれません。彼は女にモテるのにそれが効果的だということを知っていたはずですし、出会いの確率がそれで上がっているのはそれはそうでしょう。カローラに乗って西葛西に住んで女と付き合ってみたいならさっさとそうすればいいのです。その条件で幸福な恋愛をしている人だってたくさんいるのですから。
要は「俺に寄ってくる女は俺の社会的地位が目当てなんだ……」とか言ってる男は、自分のモテにおける強みに薄々気づいていて、それを利用しているにもかかわらず、偶然にもそれらに寄ってくるわけではない欲深くない女に自分の自信があまりないところ、たとえば顔や頭の良さや性格的な豊かさを褒めてもらいたい、そういう女と結婚したい、と思っているのだと感じます。そういう人は大体、医者に露骨に群がる女より数段計算高い、より強かで演技のうまい女に引っかかって、のぼせて結婚していることが多い。別にそれで幸福なんだから私が何か言う必要もありませんが、あの無駄なこだわりは何だったのか、と不思議に思ってしまいます。
すっごく綺麗でスタイルの良い女が、美人でスタイルの良い女が好きな男は嫌だと言っていたり、巨乳ちゃんが巨乳好きは絶対いやだと言っていたり、東大とハーバードのロースクールを出た国際弁護士の女が頭のいい女が好きな男は嫌だと言っていたりしたら、何かちょっと不毛な感じはしませんか。別にそれで選ばれたいと思っていなくとも、自分のモテの強み、自分がモテる場所、自分をタイプと言ってくれる人をわざわざ拒絶する必要はない。逆に言えばその強みを知っていて、それによってモテることを受け入れられる人には、出会いも恋愛も年齢などにかかわらずチャンスは多いと思うわけです。