結婚の方が恋愛よりも「戦える」

 まして結婚については、直感よりも条件を大切にする人が結構います。パッと見の直感や出会いの機会の多さがものを言う恋愛よりさらに、高年齢の男性にとって戦える側面が多いということです。年齢が自信のなさに繋がっているのであれば、若い男と比べて自分が勝てる場所はどこか、について考え、その強みが発揮できる場に躊躇せず入って行けばいい気がします。

 スポーツでは負けても、女性を連れて行けるレストランのバリエーションでは勝てるだろうし、シュプリームとか着たら年齢が目立つけれど、若者が着こなせないゼニアのスーツならこちらの方が似合うでしょう。コリドー街のビアホールでは若い方がモテても銀座の鮨屋では若者をなめていられます。それを自覚して、シュプリームの似合う若者より高級スーツを着こなすオジサマが好きな女を、「金目当て」なんていうくだらない毛嫌いをせずに愛せれば、別に結婚しようと思えばできるんじゃないでしょうか。

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鈴木涼美

鈴木涼美

1983年、東京都生まれ。慶應義塾大学在学中にAV女優としてデビューし、キャバクラなどで働きつつ、東京大学大学院修士課程を修了。日本経済新聞社で5年半勤務した後、フリーの文筆家に転身。恋愛コラムやエッセイなど活躍の幅を広げる中、小説第一作の『ギフテッド』、第二作の『グレイスレス』は、芥川賞候補に選出された。著書に、『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』『非・絶滅男女図鑑 男はホントに話を聞かないし、女も頑固に地図は読まない』など。近著は、源氏物語を題材にした小説『YUKARI』

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