「ある経営者の言葉を『寒い』と思ったなら、それは滑っているからかもしれません。でも、その人の発言全てがつまらないわけではない。まさにそう、と膝を打つものもあるでしょう。そして、人によって、捉え方も違って当たり前なのです」

 「『人財』も同じです。時に嫌がられつつも使われ続ける、その生命力に、ある種敬服する気持ちがあります。間違いなく、『ヒット商品』と言えるでしょう」

 当て字文化は日本語話者の特権

 社会の中で受け入れられやすい語彙には特徴があるのでしょうか?

 飯間さんいわく、それは「謎中の謎」。どういうタイトルにすれば本が売れるかという問いに、明確に答えられないのと一緒なのだそうです。その上で、「人財」を含む当て字文化は、日本語話者の特権であるとも話しました。

 「『頑張る』を『顔晴る』と表記する場合があります。アルファベットのみで構成される英語はもちろん、中国語でも、日本語ほど自由に漢字を変えて使うことはできません。当て字は日本語を使う人々特有の楽しみと言えます」

 社会が変化するにつれて、生まれては消えゆく造語の数々。時代の荒波にもまれながらも、命脈を保つ言葉には、確かな説得力や強度があります。「人財」もまた、そうした語句の一つと言えるのかもしれません。

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