『ブリリアント・コーナーズ』セロニアス・モンク
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『ブリリアント・コーナーズ』セロニアス・モンク
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『モンクス・ミュージック』セロニアス・モンク
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『モンクス・ミュージック』セロニアス・モンク
『ワルツ・フォー・デビー』ビル・エヴァンス
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『ワルツ・フォー・デビー』ビル・エヴァンス
『ポートレイト・イン・ジャズ』ビル・エヴァンス
『ポートレイト・イン・ジャズ』ビル・エヴァンス

 今回からはリヴァーサイド・レーベルです。このレーベルの第一の特徴は、経営陣にジャズ評論家が参与しているところ。ブルーノートのアルフレッド・ライオンにしろ、プレスティッジのボブ・ワインストックにしても、みな熱心なジャズファン、あるいはレコード・コレクターであったかも知れないが、評論家ではない。

 その点リヴァーサイドはジャズ評論家としても知られるオリン・キープニュースが副社長格で経営に関与しているのが強い。社長はキープニュースの学生時代からの友人、ビル・グロウアー。

 だから、単に人気のあるミュージシャンに留まらず、実力があるにもかかわらず不遇を囲っているようなジャズマンにも、レコーディングのチャンスを与えている。その典型がセロニアス・モンクで、彼は時代の先を行き過ぎていたためか、バップ勃興期からジャズシーンの中心にいたにもかかわらず一般的な人気はいまひとつだった。

 キープニュースはそんなモンクを積極的にレコーディングし、その後のモンク・ブームを仕掛けたという点でも高く評価したい。そんな具合だからリヴァーサイドにはそれこそ山のようにモンクのアルバムがあるが、衆目の一致する代表作は『ブリリアント・コーナーズ』だろう。大物サイドマン、ソニー・ロリンズを起用し、そして若干地味ながらいい味を出しているアルト奏者、アーニー・ヘンリーをフロントに配した2管クインテットによるモンク・ナンバーの味わいは最高。

 そして、ジョン・コルトレーン、コールマン・ホーキンスという新旧の大物テナーマンが共演する、『モンクス・ミュージック』もスリル満点。リハーサルもままならない状況でメンバーのミスが続出するも、演奏のクオリティは保たれている不思議が聴き所。そしてモンク・レギュラー・カルテットの名演としてはジョニー・グリフィンを従えたライブ名盤『ミステリオーソ』は必聴盤。モンクがらみでもう一枚と言うなら、やはりジョン・コルトレーンを従えた傍系レーベル、ジャズランドの『セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン』がオススメ。とりあえずこの4枚を押さえて置けば、ジャズファンとしては一人前。

 そして忘れちゃいけないのが、ビル・エヴァンス。入門編などとバカにしちゃいけないのが『ワルツ・フォー・デビー』で、その演奏レベルは驚くほど高い。当然同日録音の『サンディ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード』も必聴盤。もちろん2枚とも名ベーシスト、スコット・ラファロが参加しているからの名演という側面もあり、やはり「リヴァーサイド4部作」と称されたエヴァンス、ラファロ共演盤はすべて買うのが当たり前。ちなみに後の2枚のアルバム・タイトルは『ポートレイト・イン・ジャズ』と『エクスプロレイションズ』

 エヴァンスでもう1枚というなら、珍しくホーン奏者を入れた『インタープレイ』がオススメ。ちょっと合いそうもないと思えるフレディ・ハバードの名サイドぶりが素晴らしい。[次回12/7(月)更新予定]

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