田村耕太郎『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』(朝日新聞出版)
田村耕太郎『頭に来てもアホとは戦うな! 賢者の反撃編』(朝日新聞出版)>>本の詳細はこちら

 世界共通で高い評価を受けるには「あいつはいつも感情が一定」と思われることだ。そうすれば人徳があり、能力に自信がある人物と思われ、理不尽な人間から大人物まで、評価してくれる一方となる。

 何か理不尽なことを言われても、笑顔で「ノープロブレム」「ははは、そんなこともあるよ」と受け流し、あるいは、「指摘してくれてありがとう」と嫌味なくお礼を言おう。

 理不尽な目にあっても、陰口は厳禁。そして、陰口はどんな形であれ伝搬をコントロールしようとしても難しい。必ず相手に伝わり、相手の憎しみは倍増する。全く何のプラスにもならない。自分の人間としての器の小ささを宣伝するようなものだからだ。嫌な気分を発散するなら、陰口ではなく「ガス抜き」をするようにしよう。

 ガス抜きのためにすべきことは、忘れること、本業に集中すること、友人や家族と楽しい時間を過ごすこと、奮発してすごくおいしいものを食べること。これらでだいたい見事にガス抜きできる。そうでないなら、自分なりのガス抜き方法を見つけ出すといい。

 物事は主観的なとらえ方が全てだ。人生には理不尽しかないと悟れば、たいていのことは我慢できるし、アホの存在を頭から消し去ることができるだろう。

メタ認知で心を落ち着かせる

 それでも、どうしてもアホに心乱されることもあるだろう。そのような場合には、「幽体離脱」をしてみよう。

 メジャーで投打に大活躍の大谷選手は、2021年にホームラン王を最後まで争った。厳しい戦いを最後まで走り抜いたが、報道によると好調の要因の一つとしてベンチでタブレット端末が使用可能になったことがあるそうだ。2020年以前は、ベンチのビデオルームで自身の投球や打席を映像で見てフォームを確認することが禁止されていたという。

 メジャーリーグ中継を見ていると、大谷選手が打席や投球の合間にタブレットを入念に見ていることがよくある。あれは相手の投手の配球や打者の成績とともに、自分のフォームを確認しているのだ。調子がいい時にはフォームを維持し、悪い時にはいい時に合わせてフォームを整える。そのためには、映像を見るだけではダメだ。自分を客観視する時間が必要だし、客観視する時間を大事な決断や行動の前に持つことが大事だ。

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