元オセロ中島知子
元オセロ中島知子
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 5日放送の「酒のツマミになる話」(フジテレビ・毎週金曜午後9時58分)のトークテーマは「譲れない食へのこだわり」「他人に奢ったこと」「面倒くさい質問」だ。ゲストのひとり中島知子は“あるもの”をバターのように塗るほどのこだわりがあるそう。クセすごな塗るものとは? そんなトークがさえわたる中島知子の過去の記事を振り返る。(「AERA dot.」2022年8月15日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)

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 洗脳騒動から11年――元オセロでタレントの中島知子(50)が今年に入ってじわじわと露出を増やしている。昨年末、レギュラーを務めていた「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ系)に16年ぶりに出演すると、4月には「有吉ゼミ」(同)、「爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル」(フジテレビ系)にも出演。7月以降も「さんまのお笑い向上委員会」(同)に2週連続で登場するなど、立て続けにバラエティ番組に出演しているのだ。

 90年代に漫才コンビ・オセロを結成し、ピンでの活動も目立ち始めた2000年代に大ブレイクした中島。MCや女優として引っ張りだこだったが、2011年に家賃滞納問題が報じられ、女性占い師との同居や洗脳疑惑が浮上し、2013年には所属事務所から契約解除となりコンビも解散。それ以降は、めっきりテレビでその姿を見ることはなくなった。その後、大分県に移住し活動。今年4月からは「中島知子のおんせんさんぽ」(テレビ大分)がスタートし、福岡の情報番組「金曜ビッグバン!」(RKB毎日放送)のMCにも抜擢されていった。

九州を飛び出して全国放送に出演し始めた中島だが、果たして完全復帰となるのか。放送作家は言う。

「洗脳騒動でイメージが一気に悪化した中島さんですが、最近のテレビ出演を見て、まだまだ腕は衰えていないと感じました。先日放送された『向上委員会』もとても好評だったんですが、プロデューサーが福岡まで出演交渉に行き、直々に説得したそうです。同番組では、ヒコロヒーが『今、飯尾さんが小さい声で“引っかかりやすいんだ”って』と、飯尾の小声のガヤを暴露すると、中島は『飯尾さん、昔から“ウルトラクイズ”とかでご一緒してたんですよ。あの人、ちょっと性格悪いからね』とチクリ。また、Aマッソの加納から『何かいなくなられたじゃないですか?』とイジられると、『あのね、私“独立する”って会社に言うたら“〇〇〇”って言われて』と、口元と音声が加工されてしまうような暴露を繰り出すほど。SNS上でも『嫌味なくズバっと言うしトーク力凄い』『どんなにイジられても面白く返してた』など、称賛の声が目立ってました」

 キレのあるトークは健在のようだが、過去の騒動をネタに変えてしまう力量はさすがといったところ。

 そもそも、昨年末に出演した「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ系、2021年12月30日放送)で、「今、何に悩んでいるんですか?」と出演者に聞く中島を、千鳥・ノブが「占い師ですか?」と、既に過去の騒動をイジっている。これに、中島は「風評被害だったんで終わりました。家賃払とるわ」と笑い飛ばしており、そうしたイジっても大丈夫なスタンスを見せているところも良い方向に繋がっているのだろう。

「騒動以前は『世界の果てまでイッテQ!』や『中居正広のブラックバラエティ』、『恋するハニカミ!』など、多くの人気バラエティ番組に出演していた人気者。とにかく切り返しが早く、特に『ブラックバラエティ』では、中島が共演者をきっちり仕切りつつ進行していたからこそ、メインの中居正広の面白さが引き立っていた印象がありました。最近も坂上忍が『有吉ゼミ』で共演した際の中島について、『(おぎやはぎの)矢作君と、やっぱり抜群に面白いな、あの人っていう話をしてた』と、インターネット番組で明かしていて、共演した同業者からの評価が高いところもポイントです」(前出の放送作家)

かつて八面六臂の活躍を見せていた中島だが、お笑い評論家のラリー遠田氏は往年のオセロのすごさについてこう評する。

「オセロの登場はお笑いの歴史を語る上で重要な出来事でした。それまでのお笑い界では、女性芸人はキワモノ扱いされることが多かったのですが、その風潮が変わるきっかけになったのがオセロだと思います。中島さんと松嶋さんはもともと芸人志望ではなかったため、いい意味でお笑い界の慣習に縛られず、のびのびと活動することができました。2人ともネタをやるタイプの芸人ではなかったのですが、テレビ向きの明るいキャラクターとトーク力を持っていました。見た目が良くてしゃべりも達者な彼女たちがテレビで活躍するようになったことで、女性芸人の地位が向上して、さまざまなタイプが世に出てくるようになりました。オセロは今の女性芸人ブームの先駆けになる存在だったのです」

これまでの中島のキャリアや才能を考えると、完全復帰を望む業界関係者や同業者も多いはずだ。だが、現在居住している大分への愛着が強いせいもあり、「ローカルタレントとしての活動を優先させていくので」と語るのはテレビ情報誌の編集者だ。

「2018年から別府市に移住していますが、先日も『温泉のおかげか内臓から元気になってきて、いいことばかりです』と、自身のブログで綴っていました。また、都内には仕事で呼ばれたら行くが戻ることは考えてないと、1月にインタビューで明かしていました。現在は自身にとって大分がいちばんの故郷で、仲間と一緒にお店をやって、楽しく生きていきたいとも話していました。こうしたガツガツせずに肩の力が抜けているところも、中島を安心して見られる要因の一つでしょう。それでいて、過去の騒動もネタにできて、ブランクを感じさせない瞬発力やトーク力がある。多少ノリが古いところは見受けられますが、もっと多くのバラエティ番組に出て欲しいと願っている視聴者は多いでしょう。完全復活とまではいきませんが、徐々に露出は増えていくと思います」

改めて、そのバラエティスキルの高さが浮き彫りになった中島。今後も目が離せない。(丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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