第1ボタンを開けた、ほどよい着くずし加減が絶妙の愛子さま=2024年4月1日、東京都の日赤本社

第1ボタンを開けた愛子さま

 ファッションジャーナリストの宮田理江さんによれば、近年はオーソドックスではない服装を選ぶ新社会人も少なくないという。

 しかし、愛子さまが入社したのは、自然災害や紛争地での人道援助や救援活動を行う組織だ。

 人間の生命や尊厳を守る仲間との場にふさわしい服装として、華やかな装飾やメイクを避けたのかもしれない。

「飾らない愛子さまの装いは、かえって好ましい印象を受けます。髪形も、無造作のように見えるものの、集中して仕事にのぞむ気構えさえ感じます」(宮田さん)
 

 優等生のようなフレッシャーズスーツだが、愛子さまらしいアレンジものぞかせていた。

 宮田さんは、愛子さまが白シャツの第1ボタンを開けたことで、全体のバランスが整ったと話す。

「もし、愛子さまが第1ボタンまできっちりと留めていたら、ぎこちなさが目立ったでしょう。しかし、襟元をひとつ外したのはよいご判断です」

 気負い感がほどよく抜けた着こなしになったという。
 

広い歩幅で歩かれる愛子さま

 そして、一見して飾りのないように見えても、そこは内親王がお召しのスーツ。仕立てと品の良さがおのずと伝わってくる。

 長年パリコレで取材を続けたファッション評論家の石原裕子さんは、シンプルであっても手の込んだ仕立てだと話す。

「光沢のある上質な生地にジャケットの襟などには手縫いのステッチが丁寧に施され、仕立てられたスーツです。ステッチによってデザインにあたたかみが増し、愛子さまの穏やかな雰囲気によくなじんでいらっしゃる」
 

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スーツからうかがえる心構え