このサプリが自分には合わなかったんだ――。そう思ってサプリの存在も忘れかけていた矢先、小林製薬の紅麴成分を含む製品による健康被害のニュースが報じられた。

「やっぱりなんかあったんだ」

 インターネットで調べてみると健康被害の情報が次々と目に飛び込んでくる。女性は驚きと不安から、小林製薬に電話をかけたがつながらなかった。

 3月25日、購入したサイトからメールが届く。小林製薬による健康被害についての発表を受けて「製品の摂取をただちに中止」するよう注意喚起を促す内容だった。

「ますます不安になりました。メールの中に小林製薬の健康相談受付センターへの連絡フリーダイヤルのリンクもあったので、すぐに電話しました」

 30回以上かけてもまったくつながらない。「私と同じような人がたくさんいるんだ」。不安を抱えながら一生懸命電話をかけ続け、ようやくつながった。しかし、そこでの対応に女性は悲しさを覚えたという。

「体調の心配だとか健康のことは全然聞かれず、つながって最初に言われたのが『返金についてはこの番号ではなく、4月1日からの対応になります』という言葉でした。私は返金のことなんて一言も言っていないのに」

電話の向こうから不服そうな声

 その後は「いつ買ったんですか」「どこで買ったんですか」「何個入りですか」「病院に行きましたか」と質問が続いた。女性が「かかりつけの医者に説明はしました」と言うと、電話の向こうから不服そうに「紅麴飲んだって言ったんですか」と返されたという。

「終始対応の感じは悪くて、自分の症状を伝えても『聞いている限りそういう症状の人はいないんですけどね』と言うんです。こちらはどんな健康被害があるのか不安でたまらないから電話しているのに。『そういうことを教える人はいないんですか』と聞いたら、『そんな人としゃべりたいんですか』と言うので、そりゃそうでしょうと。話したいと答えると折り返すということでした」

 その後、折り返しの電話があったものの同じような対応が続き、同じように「そんな体調の方はいなかったですよ」と言われたという。女性はあまりにもひどいと感じ、「サプリを飲んだ人がその後どんなふうになったのか、データを取るために今お話しされているんじゃないんですか」と聞いた。相談受付センターの担当者ははっきりと「いや、そういう予定はないですよ」と言ったという。

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