「こちらを馬鹿にするような感じで言われたので、それはちょっとひどいんじゃないですかと言うと『はあはあ、わかりました、じゃあお客様の貴重なご意見ということで聞いときますね』と。謝罪のようなトーンは一切なく、終始ビジネスライクな感じでした。多くの対応に追われて忙しいのだとは思いますが、あまりにもひどい対応で悲しかった」
女性は持病から3カ月ごとに腎臓や肝臓の数値も計っている。何かわからないものがもし体に入っていたらどうしたらいいのかと不安は尽きない。4月の第2週ごろに小林製薬の担当者が残ったサプリの回収に女性の自宅に来る予定だが、その後のフォローは期待していないという。
「持病がある私にとって健康であるということはあこがれ。健康を助けるためのサプリにこんなことが起きたのはショックですし、小林製薬の対応を見てもどう落ち着けばいいのかわからず宙ぶらりんな感じ。どこに信用を置けばいいのかわからず、サプリはもう買えないと思っています」
問い合わせ対応が不十分ではないのか。小林製薬に問い合わせると同社の広報担当者はこう答えた。
「相談件数など精査中で、現状では正式には回答できません。対応が不十分であるという件については、スタッフが一律に公平にお返事できるよう、想定されるQ&Aを用意したうえで対応させていただいています。ただ、毎日情報が更新されており、多少流動的になっていることから、そうしたご指摘については大変申し訳なく思っております」
電話がつながりにくい状況が続くが、現在は相談受付センターの人員も追加し、全力で対応しているという。女性のようにやきもきした気持ちを抱えている人は今なお多いはずだ。紅麴を摂取した人たちの不安を取り除けるよう、一刻も早い実態の解明と丁寧な対応が求められる。
(編集部・秦正理)
※AERAオンライン限定記事