
「依存症は病気」という認識
水原氏は、20日の開幕戦後、チームメイトの前で「ギャンブル依存症」であることを告白したと報じられている。同氏がそうしたのだとしたら、「アメリカで過ごした経験が影響しているのではないか」と和田氏はみる。
「アメリカだと、アルコール依存やギャンブル依存といった『依存症は病気である』という認識が一般的です。だからこそ、水原氏もチームメイトの前で告白できたのではないかと思います」
そういった点では、有効な治療にたどり着ける可能性が高いのではないか、と和田氏は言う。
「たとえば、タイガー・ウッズがセックス依存症を治療で快方に向かったように、アメリカであればきちんとした治療施設や方法につながることが、日本よりも容易だと思います。同じギャンブル依存症患者たちで定期的に会を開いて語り合う、『ギャンブラーズ・アノニマス』(GA)が依存症の治療には有効だと言われています」
立ち直るまでに数十年
先日、和田氏のSNSに、数十年前に担当したアルコール依存症患者から、メッセージが来た。
「その方は、『先生のおかげで立ち直りました』と言ってくれました。私は少し話を聞いて自助グループと結びつけただけで、何にもしてないんですよ。だから、わざわざメッセージをくれたことに驚きました。依存症との戦いの日々は本当につらかったのでしょう。『立ち直った』と言えるようになるまで数十年かかったという当事者の声を聞き、この病気の悲惨さを改めて実感しました」
いまだ不明な部分が多い水原氏の一件。真相究明が待たれる。
(AERA dot.編集部・唐澤俊介)
