出荷されるブロッコリー(写真:安井ファーム提供)

安い外国産との価格競争

 さらに、冷凍加工される場合は、メキシコやエクアドルなど外国産の安い冷凍ブロッコリーとの競争にさらされる問題もある。

 世界で流通しているブロッコリーの品種の大半は日本の種苗メーカーが手がけたものだといい、どの国のブロッコリーも品質にほとんど差はない。また冷凍技術も確立されており、畑近くの工場で収穫後すぐに急速冷凍されれば、十分な鮮度を保ったまま日本に届く。

 そこで同機構担当者は、日本の消費者に向けて、こんな“お願い”を呼びかける。

「冷凍ブロッコリーを買うときは、できれば顔の見える国産のものを応援していただきたい。国産のニーズが増えて生産量が増えれば、冷凍ほうれん草のように輸入品との価格差は縮まっていきます。また、冷凍品は手軽ですが、やはり生のブロッコリーのおいしさにはかないません。茎の部分も甘くておいしいので、ぜひ丸ごと食べてもらえたらうれしいです」

 ブロッコリーを丸ごと楽しむ方法は、前出の土田さんが運営する安井ファームのX(旧Twitter)で、数多く紹介されている。

 実は安井ファームは、7.7万人のフォロワーを抱えるインフルエンサー農家でもある。土田さんは“中の人”として、<茎の周りの固い部分は、ピーラーで取り除くか、あるいは加熱することでヌヴァっと剥がせるようになります>などと、日々ブロッコリーにまつわるお役立ち情報を発信している。

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農家が勧める「おいしい食べ方」