株価が歴史的な高値圏にある。日経平均株価は2月下旬、約34年ぶりに史上最高値を更新し、日本経済は長いトンネルを抜けたようにみえる。だが、その実感は乏しい。AERA2024年3月25日号より。
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東京株式市場で2月22日、日経平均株価は3万9098円(終値)をつけ、約34年ぶりに史上最高値を更新した。3月4日には4万109円で取引を終え、史上初の4万円の大台に乗った。値動きはあるが、歴史的な高値水準にある。
新型コロナで抑制されていた経済活動が回復し、企業業績も上向くなか、円安を追い風に最高益の大手企業も相次いだ。直近では、世界的な生成AI(人工知能)ブーム、AI需要への期待から半導体関連銘柄が買われ、今回の株価急騰を支えた。
長いトンネル
1990年代以降、日本では低成長と物価低迷が続き「失われた30年」と言われてきた。
日経平均の推移をみると、これまでの最高値はバブル期の89年12月29日の3万8915円だった。翌年10月には2万円を割り込み、日本経済は長いトンネルに入り込む。アジア通貨危機が起きた97年の11月には北海道拓殖銀行、4大証券の一角だった山一証券が破綻した。