国会前で安保関連法に対する抗議行動を続けてきた学生組織SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)のメンバー3人と、『ぼくらの民主主義なんだぜ』を著した作家の高橋源一郎が民主主義をめぐって話し合った。
 5月3日に結成され、6月から毎週、国会前に立ってきたSEALDsの中心メンバーで大学生の奥田愛基、牛田悦正、芝田万奈がそれぞれの生い立ちを語り、活動を続ける理由を説明する。古代ギリシャまでさかのぼって考える高橋の問いかけをもとに、各自の考えを深めていく。奥田は民主主義の主体は「常に個人じゃないといけない」と言い、「だれかが言ったからじゃなくて、自分の意思として引き受けるのが大事」と話す。だから抗議行動では「複数形を主語にすることは基本的にしない」。
 大学生が悩んだり、失敗したり、手応えをつかんだりしながら活動を広げていく様子に高橋は「なんだかまぶしい気持ちになる」という。若者だけでなく大人も民主主義を引き受けていくために「あんたはどうするの?」と、この本は問いかけている。

週刊朝日 2015年10月9日号