全国戦没者追悼式で「おことば」を述べた天皇陛下、皇后さま=8月15日、東京都千代田区の日本武道館
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 天皇陛下は2月の誕生日に際しての会見で、能登半島地震の犠牲者への思いを述べられ、被災地訪問の意向を示した。国民に身近な存在として、距離感を意識してきた天皇、皇后両陛下や皇族方。そんな皇室の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2023年8月20日に掲載された記事の再配信です。肩書や年齢等は当時のもの)。

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 終戦から78年となった8月15日、政府主催の全国戦没者追悼式が、東京都の日本武道館で開かれた。天皇陛下の「おことば」は、社会の情勢の変化を反映させつつ、これまでと変わらぬ平和への祈りと不戦の誓いが込められた。しかし、天皇陛下や皇后雅子さまもふくめ、皇室でも戦争を体験していない世代が増えている。上皇ご夫妻が始めた「慰霊の旅」、そして皇室の「祈り」の今後は――。
 

 天皇陛下の「おことば」では、2020年からあったコロナ禍に触れた表現がなくなり、「将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていく」と、「平和」と「幸せ」という言葉の順番が入れ替わった。昨年の「おことば」では、「人々の幸せと平和を希求し続けていく」という文章だった。

「『平和』の言葉を前に持ってきた。こまかな変化ですが、天皇陛下からのメッセージでは」

 そう話すのは、象徴天皇制を研究する名古屋大の河西秀哉准教授だ。ロシアによるウクライナ侵攻など、世界情勢が落ち着いていない状況を指しているのだろうと分析する。
 

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「おことば」に見える変化