写真はイメージ(GettyImages)

 私自身、15年ぶりに花粉症を再発したのが、去年のことです。中高生時代に、ひどいスギ・ヒノキアレルギーに悩まされたものの、ある日突然、花粉の時期になっても症状が一切出なくなったことに気がつき、「花粉症は完治した」と思い込んでいました。

 しかし、一昨年末、日本を離れ、サンディエゴにやってきて、日本では悩まされることのなかった、また別の植物の花粉に、私の体は反応するようになってしまったのです。

 どうやら、南カリフォルニアでは、一般に、春の樹木アレルギーとして、オリーブ、オーク、プラタナス、クルミ、ユーカリ、桑などが含まれるようです。緑の多い住宅街の一角に住んでいることもあり、私の体は、上記のいずれかの植物に反応してしまっていると思われます。

 2年目となった今年も、1月を過ぎた頃から、突然、鼻詰まりによる不眠に悩まされる日が続きました。そこで、抗アレルギー剤の内服を始めたところ、症状が改善されたので、「やっぱり花粉症だったのか」と納得することができました。

 幸い、アメリカではドラッグストアで、多くの種類の抗アレルギー薬が販売されており、市販薬の内服と市販の点鼻薬の使用により、クリニックに駆け込むことなく過ごすことができています。アレルギー症状による不眠の症状も改善され、日中の作業効率も断然上がったように感じています。

 中高生時代、ひどいスギやヒノキアレルギーに悩んでいた時は、花粉症であることをなんとなく認めたくなかったことに加えて、抗アレルギー薬を飲むと眠気を感じることから、薬を飲むことなく、症状に耐えることで春を乗り切っていたことを覚えています。「我慢なんかすることなく、クリニックを受診して、自分にあった薬を処方してもらえば、もっと楽に春を乗り切れただろうに……」と今更ながら、ちょっぴり後悔しています。

【参照URL】

(※1)https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/kafun/qanda.html

(※2)https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/2022_full.pdf

(※3)

https://news.yahoo.co.jp/articles/1ce5bb842cbbc4203455324cf53eb1b05b2465b5?page=1

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山本佳奈

山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。医学博士。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。2022年東京大学大学院医学系研究科修了。ナビタスクリニック(立川)内科医、よしのぶクリニック(鹿児島)非常勤医師、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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