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半導体銘柄に脚光

 では、新NISAでの新たな物色傾向は見られるか。

「日本の個人投資家は株価が下がったところで買う『逆張り』を好む傾向がありますが、新NISAでは三菱商事、トヨタ自動車、ソシオネクスト、ルネサスエレクトロニクスなど配当は並でも上昇トレンドの銘柄がランクインしているのが新しい動き。

特にソシオネクストやルネサスエレクトロニクスは、今をときめく半導体関連の中では手頃な金額なので、新NISAでも人気化したのでしょう」

 半導体関連株は最低投資金額が高い。王道の東京エレクトロンは345万円台、ディスコは433万円台、レーザーテックは390万円台。

 これでは新NISAの成長投資枠の年間上限240万円を上回る。でも半導体相場には乗りたい。その結果、比較的低位のソシオやルネサスが買われた、と。

 なお、ネット証券が提供する1株投資サービス(新NISA対応)を使えば新NISAでも値がさ株は買える。

 

あおぞら銀の無配転落

 新NISAで高配当株に投資する際、気をつけることは?

「たとえばあおぞら銀行は新NISAでも高配当で人気でしたが(ランク外だが35位/26.3億円買い付け)、2月1日に無配転落を発表し、高値3301円から安値2020円まで叩き売られました。

その後、来期の復配(見込み)が報じられ、急騰しています。こうした流れに乗れる人は多くないはず。

初心者は決算説明資料だけでも読んでください。株主還元を重視する企業はこの先の配当政策についても熱心に開示するので、参考になるはず」

新NISA買いは微々たるもの

 では、新NISAの買いが日本株市場に与えた影響は。

「1月の東証プライム市場の投資部門別株式売買状況を見ると、個人は9899億円の売り越し(買いより売りが多い)。株価上昇で利益確定した人が増えたのでしょう。

逆に外国人投資家は2兆903億円の買い越しです。

日本人の新NISAの買いは全体からすると微々たるもので、相場に多大な影響を及ぼしてはいません。外国人投資家は『新NISAで今後、日本人が株を買い始める』という『期待感』が『いくつもある動機の一つには』なっています」

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