取材中、お互いが認めるお互いの長所を予想してもらった。ちゅうえいさん「天才的なアドリブ力じゃないですか。その場を一瞬で笑いの空気に変える能力」。たきうえさん「商才じゃないですかね。それから、顔。イケメンですから、はい」(撮影/写真映像部・東川哲也)

ちゅうえい 断る! 俺たちはお互い、自分らがボケがうまいとも思ってないし、ツッコミが上手いとも思ってないんです。でも、2人でいる時の方がお互い自分は絶対に面白いと思っているんで。それで、続けてるんじゃないですかね。

たきうえ 僕もそう思います。あと、若さの秘訣だから。YouTubeで早期リタイアした人の動画をよく見るんですが、彼らが「何かしていないと一気に老ける」って言うんです。それで「流れ星☆をやめないようにしよう」と思いました。

ちゅうえい:今のこいつのお笑いへのスタンスはそうらしいです(笑)。

「目を見たらわかります。不合格です」

――「M-1」時代の苦しさは聞いた。芸人人生でつらかった思い出を聞いてみた。最初はもちろん、ボケがきた。

ちゅうえい 富士山の6合目の山小屋の前、仮設ステージで漫才をやったこと。観客は登山客なので、振りだけ見る人かオチだけ見る人しかいないから、受けるはずがない。しかも酸素が薄くて、いつもより早めに苦しくなりました。

たきうえ ギャラは芋焼酎1本でしたね。

ちゅうえい ラジオの企画で4回くらいバンジージャンプを飛んだ時もつらかった。高台で2人で漫才をやって、「もういいよ!」って突っ込んで、ジャンプする。それがね、ラジオだから見えないんです。

あとは、ネタ見せのオーディションに行ったら、時間が押しててネタやる前に「大丈夫です、目を見たらわかります。不合格です」と言われたこともしんどかったです。ただ、その時受かったのはどぶろっくだったから、今思えば見る目はあったんだよね。

たきうえ 芸人やってれば、数えきれないほど嫌な思い出はあります。ただ、かつて許されていたことが許されない時代になってきたとは感じます。

──では、2人で見た一番素晴らしかった景色は何なのだろうか。

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死ぬ前に浮かぶ景色は同じ