最初の渡航で働いた期間は、オーストラリアの観光ビザの上限期間である3カ月。宿泊費を除き、3カ月で合計約300万円の報酬を手にした。

「3カ月間、ほとんど休みなく店に出たので、結構ハードな3カ月でしたが、それを差し引いても、日本より格段に稼げました。客の感じも、日本で多かったオタクっぽい男性より、カラッと明るいというか、単刀直入に“セックスするためにここに来ている”という感じで、もっとシンプル。チップも励みになって、それなりにやりがいを持って働けました」

 以来、同様の手順で出稼ぎをし始め、5年が経とうとしている。出稼ぎを繰り返すうちに英語も少しずつ話せるようになり、今では英語で普通にコミュニケーションを取ることができる。英語が話せることで、例えばオプションサービスの交渉などもしやすくなったり、客と他愛ない話もできるようになり、「もっと稼げるようになった」という。

 また、アジア人女性の知り合いも増え、「あの国も結構稼げる」「あの店がわりと働きやすかった」といった情報も得られるようになった。入国時に怪しまれた時の切り抜け方や、嘘のつき方といった知恵も共有し合っているという。

www.amazon.co.jp/dp/4022952571

著者プロフィールを見る
松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

松岡かすみの記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
携帯トイレと簡易トイレの違いってわかる?3タイプの使い分けと購入カタログ