それは、風俗店で働いていた時の同僚で友人の、2歳年上の女性からの誘いだった。1~2年に一度連絡を取り合って会うという付かず離れずの仲だが、同じ関西出身ということもあり、会えば関西弁でいろんな話ができる、気を許せる間柄だった。聞けば友人は、オーストラリアに出稼ぎに行って帰ってきたばかりで、また3カ月後に出稼ぎに行く予定だという。週3日勤務で、日本円で月80万円ほど稼げたと話し、「うちらと同世代で、月200万~300万円稼いでいる日本人の女の子もいるらしい」という。

「店のママも良い人で、泊まる場所も用意してくれるし、安心できるよ。日本人は需要が高いから、働いてくれる子を募集してるんやって。一緒にオーストラリアで稼いで、観光したり買い物したり、楽しもうよ!」

「えっ、めっちゃいいやん、それ! 楽しそう!」

 こんなノリで、3カ月後、友人とともにオーストラリアに飛ぶことが決まった。29歳の時のことだった。

マッサージ店で週6日勤務

 オーストラリアでは、大部分の州で売買春が合法化されている。合法化以降、性産業は多様化し、オーストラリアに移り住むセックスワーカーも激増したと言われる。もちろん、働くには就労ビザなどが必要になるが、ヨウコさんと友人は観光ビザで入国。観光ビザでの就労は認められていないため、不法就労ということになる。

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