占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:4年間付き合っていた彼に浮気されて破局、その後、今の彼と出会って同棲しています。今までの人と違うタイプの性格で一緒にいて苦痛じゃなく、素直な自分を出せていると感じます。彼は私と結婚を考えているらしいのですが、あまり嬉しくありません。4年付き合っても浮気されるのだとしたら何年付き合っても結婚なんてしたくない、と0か100かみたいな考え方をしてしまいます。(女性/看護師/25歳/おうし座)

A:占いの仕事をしてきた実感として、特に恋愛においては「どう頑張っても次のステップに行けない相手」が存在します。例えば誰かとお付き合いをして、結婚をするとか最後まで添い遂げることを、数値で5と表すとしましょう。すごくいい出会いがあって、価値観も合って、いいお付き合いの時間を過ごしても、3から先がどうしても行けない、みたいな。実際にそういう話をよく聞きました。でも、その相手と別れた後に出会った人とすんなり結婚することもあるし、進む時にはあっさり進んでいってしまう。

「あ、この人3だな」の感じは、経験を重ねていくとわかってくることでもあるように思います。「付き合ったらすごく楽しいだろうな、でも5まで行かないだろうな」というのが、なんとなくわかってくる場面があるんです。

 不安はわかりますが、すべての男性、すべての女性がそういうことではないし、関係性次第であっさりと進むことがあります。だから心配しないで新しい相手と新しい歴史を築いていったらいいのではないでしょうか。

 ところで、仕事も恋愛も「好み」だけで突っ走ると少し危険というのがなんとなく僕の感覚としてあります。

 恋愛で相手と付き合う理由って、好みが大きいですよね。背が高いとか、顔が素敵だとか、ユーモアのセンスがあるとか。自分の好みと一致するかどうかを重視しがちです。でもうまくいく未来には、もうちょっと「公共性」のようなものがある。

 何が「公共性」かに関しては読む人それぞれに解釈をしていただきたいところですが、例えば自分の上司が神様だとします。いきなり話がぶっ飛んじゃってごめんなさいね。神様って、僕たちに好きなことだけやらせてはくれない気がするんですよね。好きなことも交ぜてくれるんだけど「この人をこういう仕事に就かせて、こういう人と付き合わせて、この能力を磨いて、こういう社会貢献をさせよう」みたいな思惑がたぶんある。

 好き嫌いだけだと公共性の入る余地がなくて、0か100かにもなりがちです。特におうし座は好きと嫌いがはっきりしている人たちです。

 少し立ち止まってしまった時は、自分の不得意なことや苦手なこともほんの少し取り入れてみると、新しい扉が開いて未来につながっていく気がします。もし「自分が面倒を見なきゃ」という気持ちが強い人なら、誰かと付き合っていても1人で遊びに行っちゃうような無責任さを入れてもいいかもしれません。

※AERA 2024年2月26日号