相性のいい人こそ、気づきにくい
皮肉なことに、相性のいい人より相性の合わない人のほうが、感覚的には気づきやすいものです。人間には防衛本能が備わっているので、その人のせいで自分の欲望が満たされないとか、自分の欲望を邪険にする人が現れると、強い反発心や拒否反応が出るようになっています。一方で、相性がいい人にはそういった強烈な反応が出ないため、気づきにくいのです。相性のいい人に出会うと、どんな反応が出るか。それは、ふわっとした穏やかな反応です。とくに何も感じなかったりすることもあります。
もちろん、なかには出会った瞬間から「波長が合う」と感じる相手もいます。それはわかりやすいからいいのですが、多くの人は「何も感じない」ことを軽視していたり、誤解していたりするので、ここでちゃんとお伝えしておこうと思います。
相性のいい相手とは、一緒にいて無理がないし、多少のストレスがあっても元気に過ごせて、同じことで笑えて、ごはんを一緒に食べるとおいしい。たまに意見の食い違いがあっても言いたいことをちゃんと言える。相手の機嫌が悪いときはそれなりに思いやることができる。弱っているときは助け合え、足りない面を補い合える。振り返ってみれば「これって相性がいいのかも」という感じで、普段はごくごく自然な関係なのです。相性がいい人は、誰にでも必ずいます。
とはいえ、自分とまったく同じ人はいません。だからこそ、相手の欲望をよく観察し、相性が合うようにと、チューニングしながら、相手のチャンネルに合わせに行く思いやりが必要です。もちろんこの感覚は人によって異なりますが、うまくいっている人たちは、チャンネル合わせのチューニングを上手にしているのです。