「眞子ちゃん」で、はじまる手紙は、学校の授業で「お年寄りの世代が行っていた手仕事について調べよう」という宿題を出された眞子さんの質問に答える形になっている。
【眞子ちゃん
眞子ちゃんは、ばあばがお蚕さんの仕事をする時、よくいっしょに紅葉山のご養蚕所にいきましたね。今はばあばが養蚕のお仕事をしていますが、このお仕事は、眞子ちゃんのおじじ様のひいおばば様の昭憲皇太后様、おばば様の貞明皇后様、そしてお母様でいらっしゃる香淳皇后様と、明治、大正、昭和という三つの時代をとおってばあばにつたえられたお仕事です(略)】
美智子さまは自身を「ばあば」、眞子さんを「眞子ちゃん」と優しく呼びかけ、上皇さまを「おじじ様」と表現している。
皇室の伝統文化である養蚕について説明する文章は、美智子さまの温かな人柄と、孫への深い愛情が伝わる内容だった。
美智子さまから、愛子さまへの愛情がにじむ場面もある。美智子さまは2008年の誕生日に際して出した文書で、愛子さまについてこう触れている。
「周囲の人の一寸した言葉の表現や、話している語の響きなど、『これは面白がっているな』と思ってそっと見ると、あちらも笑いを含んだ目をこちらに向けていて、そのような時、とても幸せな気持ちになります」
わずかに垣間見える日常の様子からでも、互いに対する深い愛情を感じることができる。
(AERA dot.編集部・永井貴子)