取材をしていると、秋篠宮ご一家と愛子さまとの距離の近さを実感する機会もある。
たとえば、2011年の冬に皇居にある宮内庁内で開催された「宮内庁職員組合文化祭美術展」もそうだ。職員のための行事だが、天皇や皇族方の作品も特別出品されている。
このとき、5歳の長男・悠仁さまは、紀子さまの手をぎゅっと握りながら、会場に到着した。
紀子さまは、中央の壁に展示されている当時の天皇陛下と美智子さまの和歌の書の前に悠仁さまを誘導して優しく説明するが、走り出してしまった。悠仁さまの頭の中は、入り口近くに展示してあった手作りの木のおもちゃでいっぱいなのだ。
10歳だった愛子さまが出品した、吹きガラスの風鈴や、「実りの秋」と書いた習字の作品の横も駆け抜けていく。慌てた紀子さまが小さな背中に、何度も呼びかける。
「愛子ちゃん、愛子ちゃんの(作品)よ!」
苦笑する秋篠宮さまも、
「ゆうゆ」
と呼びかけるが、悠仁さまはおもちゃの作品に夢中。やんちゃぶりに、師走の冷気もほっこりと暖められたような一幕だった。
「ばあば」より「眞子ちゃんへ」
上皇ご夫妻と孫たちの交流も同じだ。記者会見でご夫妻は、「愛子」「眞子」「佳子」と呼んでいる。しかし、家族のなかでは、さらに深い愛情が伝わるやり取りがあるようだ。
2012年の春、美智子さまの喜寿を記念した特別展の図録で、美智子さまが学習院初等科の3年生だった秋篠宮家の長女・小室眞子さんにあてた手紙が公表されたことがあった。