竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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「コンビニ百里の道をゆく」は、54歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 1月中旬、スイスで開催された世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」に出席してきました。昨年に続き、5回目の参加です。

 企業のトップや政治家、有識者などが一堂に会し、世界の諸課題について議論するこの会議、今年のテーマは「信頼の再構築」。ウクライナのゼレンスキー大統領やフランスのマクロン大統領、アメリカのブリンケン国務長官や南半球からアルゼンチンのミレイ大統領らも出席しました。

 それぞれ自国に懸念を抱え、かつウクライナや中東では戦争真っただ中。国と国との間には分断が生まれ、そこから「信頼」というものが失われていく。その危機感を各国首脳の話からもひしひしと感じる総会でした。

 日本からは河野太郎デジタル相と新藤義孝・経済再生相が出席していました。河野大臣は「分断されがちな世界の中で、日本は国と国、地域と地域の橋渡しができる国なんです」という趣旨のことを話されていました。

 たしかに、「信頼の再構築」においても日本が果たすべき役割がありそうです。その役割を担うためにも、日本が経済の面でも強く、注目される国であることが大事でしょう。私たち経済界にいる人間ももっともっとチャレンジをして、グローバル経済を巻き込んでいくような「強い日本経済」をめざしていかなければと思いを新たにしました。

5回目の参加となった世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」。会場前で撮影

 ダボスを訪れて改めて実感したのが地球温暖化です。道路は雪が解けて車が通ると泥水がびちゃびちゃに跳ね上がるような状態。2020年に訪れた際もダボスの暖かさに驚いたことがありました。

「カーボンニュートラルな世界へ」という目標に向かって日本が果たしていくべき役割とは何か。それを地球規模に広げるための成功事例はどうやって作っていくべきか。ダボスの道を歩きながら考えました。

◎竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

AERA 2024年2月19日号