韓国の新年度は3月から始まる。コロナ禍以降3年ぶりに規制なしの入学式が行われる一方で、小学校の廃校や大学の定員割れのニュースが流れている。韓国では2022年の合計特殊出生率が過去最低の「0.78」となり、少子化問題がこれまで以上にクローズアップされるようになった。人口を維持するには合計特殊出生率は2.07必要だと言われている。韓国で暮らしていると、少子化が進んでいることを肌で感じる。施策はいろいろ打たれているが、結果が出ていないのだ。(韓国在住ライター 田中美蘭)
韓国の合計特殊出生率が
過去最低の0.78に
3月になり、韓国では日本よりもひと月早く新年度がスタートした。毎年3月2日は韓国内のほぼすべての小学校~大学が入学式を行う。今年はコロナ禍以降、3年ぶりに規制なしで入学式を開催でき、どこの学校周辺でも多くの保護者や学生たちの姿でにぎわっていた。
しかし、そんな華やかなムードと同時期に、韓国では「2022年の合計特殊出生率が過去最低の0.78を記録」という発表があり、社会に衝撃が走った。「合計特殊出生率」とは「女性が生涯に出産すると見込まれる子どもの数」を示したもので、韓国では長期にわたり下落傾向が続いていた。
一方、日本でも2022年の出生数が80万人割れと過去最低を記録した。ちなみに日本の2022年の合計特殊出生率は1.27。韓国よりは上だが、人口を維持できる水準(2.07)を大幅に下回っていることでは日本も韓国も同じだ。