新年のあいさつのため、ティアラとローブデコルテの正礼装で仙洞御所に入る愛子さま=1月1日、東京都内

 天皇、皇后両陛下の長女愛子さまが、学習院大卒業後の4月から、日本赤十字社(東京・港区)に嘱託職員として勤務することが内定したと、宮内庁が発表した。大学院や留学で専門分野を学び続ける皇族が多いなか、古典への学びを深めている愛子さまの「研究」はどうなるのか。しかし、公務とともに学びを続ける皇族方は、これまでも数多くいる。

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「当面は、4月からの日赤での勤務に慣れることや、出席される公務の準備等でお忙しいでしょうから、他のことをおやりになる時間はほぼないのではないかと思います」

 そう話すのは、元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんだ。

 愛子さまは今春に学習院大を卒業し、4月からは嘱託職員として日赤で勤務する。勤務日について日赤本社広報室は、

「ご公務等の状況をみながら対応していくことになろうかと思います」

 と答えており、日赤での仕事とあわせ、公務への準備も進んでいるようだ。
 

 一方で、大学院や海外留学などで専門分野の研究を深める女性皇族も増えたことから、愛子さまも留学か大学院への進学を選択するだろうとみられていた。それだけに日赤への就職内定を、世間は驚きをもって見つめた。

 そもそも昭和の時代の内親王や女王は、留学はもちろん大学などを卒業して皇族として働くことはほぼなかった。卒業してまもなく結婚していたからだ。

 労働の対価として給与を得た初の女性皇族は、「サーヤ」と呼ばれて慕われた、上皇ご夫妻の長女、黒田清子さん(54)だ。

 そして女性皇族の海外留学が増えたのは、平成の半ばあたりからだ。
 

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博士号を取得した初の女性皇族