ヘンリー王子(左)とメーガンさん(写真/アフロ)

 2023年も残すところわずかになった。今年はヘンリー王子(39)とメーガンさん(42)にとって激動の1年だったが、まず物議をかもしたのは、1月発売の王子の回顧録『スペア』だった。ギネス世界記録に認定されるほど爆発的な売れ行きを見せたものの、本文中の虚偽や誇張などが次々に指摘され、二人の好感度は急降下した。Spotify(スポティファイ)から契約を打ち切られ、風刺アニメ「サウスパーク」では、「プライバシーが欲しい」と大騒ぎして注目を集める二人の姿が矛盾すると揶揄の対象になった。

【写真】「ほぼ末席」に通されたヘンリー王子とメーガン妃

 そして11月末に発売された暴露本『エンドゲーム』のオランダ語版では、王室内の人種差別者としてチャールズ国王(75)とキャサリン皇太子妃(41)の名前が記載された。作者で王室担当記者のオミド・スコビー氏が繰り返し弁明しようとも、背景にメーガンさんの指示があったことは明白だとされる。さらに、夫妻が立ち上げたアーチウェル財団は、年次報告書によると赤字転落が明らかになった。寄付者が大幅に減少したのが影響したのだ。

 20年、英王室離脱当初は親しかったアメリカの元大統領夫妻、司会者、俳優などから次々に距離をおかれ、英王室からは誕生日のお祝いメッセージが初めて家族4人ともに届かなかった。ハリウッドの動向を扱う雑誌「ハリウッド・リポーター」からは、23年最大のルーザー(負け組)と烙印を押された。“サセックス・バブル”がはじけたとも言われている。

メーガンさん「焦り」と「いらだち」

 メーガンさんが俳優ケビン・コスナー主催のチャリティーイベントで司会者のマイクを取り上げて話そうとしたのも、雑誌のイベントでのサプライズ出演でレッドカーペットから立ち去らずにスタッフから背中をタッチされて退場を促されたのも、すべてメーガンさんの焦りの気持ちからではないか。

 特にメーガンさんをいらだたせたのが、フランスの高級ブランド、ディオールのアンバサダー就任失敗だった。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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二人の「転落」が止まらない理由