賀来賢人(かく・けんと 左):1989年生まれ。2007年、映画「神童」で俳優デビュー。劇場版では恰幅のいい体形でツッコミ担当のルカ(イラスト左)を演じる/中村倫也(なかむら・ともや)/1986年生まれ。2005年、映画「七人の弔」でデビュー。劇場版では小心者で何かと占いに頼りがちなドミトリ(イラスト右)を演じる(撮影/植田真紗美)
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 フォージャー家が繰り広げる初めての家族旅行を描いた「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」が22日に公開される。ともに原作ファンという中村倫也さんと賀来賢人さんの二人のゲスト声優が語り合った。AERA 2023年12月25日号より。

【画像】中村さんと賀来さんがゲスト声優として参加した場面カットがこちら

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賀来:『SPY×FAMILY』を初めて単行本で読んだとき、コメディーシーンが僕のすべてのツボに触れて、こんなに笑う漫画はないってくらい笑ったんです。本当にやばい漫画があるっていろんな人にすすめたら、「それ、もう有名だよ」って。

中村:ははは!

賀来:もうそのときにははやってました(笑)。

中村:僕は1巻をすすめられて、そこから単行本で追っかけたり、連載している「少年ジャンプ+」で追っかけたりしています。だから、声優のオファーがきたときは「やったぁ!」「作品にまぜて!」って。

賀来:うれしかったね。でも、もともと好きな作品だから生半可な気持ちではできないというプレッシャーもあって。

中村:俳優の仕事は、自分の表情や呼吸、体のちょっとした動きや間合いとか、いろんなことを複合的にやっているじゃないですか。でも、アニメは間もセリフも、表情も決まっている。

賀来:だから声のお仕事って、僕にとってはものすごく試練なんですよ。でも、その分得るものも大きいから、全力でやらせていただきました。

「家族」ってなんだろう

中村:「SPY×FAMILY」は、キャラクターそれぞれが壮絶な過去を持っているけど、そのうえですごく一生懸命生きている。偽物の家族だからこそ、家族というものがより浮かび上がってくる。見ている人はそこに感情移入するのかな。

賀来:熾烈なアクションシーンもあるし、作品としてのレンジがとにかく広い。エンタメ全部盛りだよね。

中村:「家族」というものを知らなかったり、欲してすらなかった人たちが、「家族ってなんだろう」って模索する様も実にいとおしいですよね。そのなかで芽生えた感情とか、気づきそうで気づかないものが見えてくる。そこにすごく共感したり、教えてあげたくなったり、応援したくなったり、ハラハラしたり……。そこがこの作品の求心力になっているんじゃないかなと思いました。

賀来:全部言ってくれた(笑)。

中村:家族って、もちろん大事にしたい思いもあるけど、どこか雑にしてしまうところがありますよね。一番気を使わないでいても気を使える距離というか。でも、「SPY×FAMILY」のフォージャー家はかりそめだから、家族だけど、本当はそうじゃない。だからこそ感じることがあるし、作品を愛するファンが多い理由じゃないかな、と。

賀来:アニメ化したとき、初めて動くフォージャー家を見て「こうやって動くんだ!」ってわくわくしたことを今も覚えています。

中村:架空の街の架空の時間軸なんだけど、アニメになったことで街の雰囲気や音、空気感がより匂い立ってきた感じがしたよね。

賀来:アクションや音、テンポ感って漫画だと自分の思い描くものでしかないけど、こういうふうに具現化されるんだって感動した。映画はそのスケールがさらにアップするので、いちファンとしても楽しみです。

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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