笑顔のときも、苦しいときも
子育てに関しても、ご夫妻の絆は強い。
愛子さまが15歳の誕生日を迎えた2016年の年末ごろ、急に体重が落ちたことがあった。
12月は1日に愛子さま、9日に雅子さまと誕生日が続く。宮内庁が公開した写真に映る愛子さまは驚くほど細く、世間には驚きが広がった。
陛下と雅子さまには世間のそうした反応は予想できただろうが、例年通り、愛子さまとご一家の写真を公開した。
そんな姿勢は、友人に対しても同じだった。
翌年の正月、同窓会の幹事を務めていた今井さんや同級生仲間が、例年と同じように家族を連れて東宮御所をたずねた。
陛下と雅子さま、そして愛子さまが今井さんたちを歓迎する様子は、いつもと変わらなかった。
今井さんは、振り返る。
「おふたりは、愛子さまが笑顔のときも苦しいときも、それを周囲に隠すことをせず、同じように見守り続けた。ご一家の中で誰がリーダーシップをとるということでもなく、お三方が互いを信頼し、支え合っておられるように感じます」
雅子さまが60歳になった今年は、結婚30年の節目の年。雅子さまは誕生日に際しての感想を公表し、この30年間に上皇をはじめ「天皇陛下に常に優しくお支えいただいた」ことや、周囲に助けられたことへの感謝の言葉をつづった。
また、愛子さまについては、卒業論文の提出が間近で忙しいことに触れつつ、大学生活を有意義に送ってほしいとエールを送った。そのうえで、「まだあどけないところも残る愛子ではありますが、いろいろな時に私たちを助けてくれるようにもなってきたと感じます」と続け、愛子さまの「成長」を喜ぶ様子がうかがえた。
一方、雅子さまの体調について医師団もコメント。「ご快復の途上にあり、依然としてご体調には波がおあり」とこれまでのような慎重な見解を示す一方、地方や海外などでの大型公務へ出席したことを挙げ、「国民との触れ合いの機会を大切にされようと努めている」と前向きな印象を示した。
誰もがこれからも、ご一家のあたたかな笑顔を楽しみにしている。
(AERA dot.編集部・永井貴子)