12月3日放送の『まつもtoなかい』(フジテレビ)で、ビートたけしと松本人志が歴史的な共演を果たした。一時代を築いたレジェンド芸人同士の共演というのは、それだけで人々を興奮させるものだ。
【写真】地上波で見ないのに「年収2億円」のお笑いコンビはこちら
今回は、場の空気を和らげる中居正広という仲介役の助けもあったからなのか、いつになく深いところまで掘り下げたトークが展開されていた。
そのやり取りの一語一句が興味深いものだったのだが、特に印象的だったのは、松本がたけしに対して「映画ってめちゃくちゃ好きじゃないと撮れないですよね」と語っていたことだ。
松本人志が気づいてしまったこと
松本は映画製作の過程で、自分がほかの監督よりも映画が好きではないことに気づいてしまったのだという。
ビートたけしは、映画監督「北野武」として世界を股にかけた活躍をしていて、ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞などの輝かしい実績を残している。
一方、松本は2007年公開の『大日本人』で映画監督デビューを果たし、これまでに4本の作品を手がけてきた。しかし、2013年公開の『R100』を最後に、事実上、映画製作からは手を引いていた。
松本監督の映画は、北野武監督の映画とは違って、業界内の評価や商業的な成功をほとんど得られなかった。その理由についてはさまざまな説明が考えられるが、本人が改めて振り返って「映画がそんなに好きではなかった」と語っているのは貴重である。
松本の映画を見ると「映画を壊そうとしているんだな」と感じることがあった。そして、その破壊衝動は、作品を重ねるごとにどんどん露骨になっていった。