自分のつながりを辿ってみるとわかると思いますが、人はみな、膨大なつながりの中で生きています。
つながりは入り組んでいて、すぐにできては消えていくもの。それを繰り返しているのが人生だと考えれば、人はさまざまなつながりの中でしか生きられない、とも言えます。
一人というミクロの視点から、自分の周り〜日本〜地球というマクロの視点に移し替えてみれば、どんな世界でもつながりで成り立っていることが見えてきます。
その視点を持ってみると、人と人との差なんてたいしたことないですよという話にも、うなずけるのではないでしょうか。
縁をつくろう、人とつながろうと考えることも大事ですが、すでにつながっている人たちの中で自分が生きてこられたことを思い出し、まずは今あるつながりに感謝しないといけない。すでにある縁からのつながりを一度、考えてみてください。
他人には感謝しかない
多くの人は人間関係で悩み、ストレスを抱えていますが、その一方で、「人は、他人とのつながりの中でしか生きていけない」というのもまた真実。まるで禅問答のようです。
ストレスの元凶は他人ですから、ストレスをなくすには、他人をなくさなくてはいけない。それなのに、人は一人では生きていけないので、他人をなくすことはできない。他人がなくなったら、いずれ自分もなくなる。言い方を変えれば、他人はいなくならないから、
ストレスもなくならない、ということです。
「人を大事にしましょう」と言うと、
「でも、合わない人たちと一緒にいるのは、しんどいんです」と言われます。
程度はありますが、合わない人とどう楽しむかを試行錯誤せずにラクなほうに逃げていては、人間として成長しません。成長しないから、悩みもなくならないのです。結局、自分が悪いのです。
夫婦や家族も、「自分とは違う人」という意味では、他人です。
イヤなことがあると、そればかりに意識が向くため忘れがちですが、産んでくれたのも、育ててくれたのも、友達になってくれたのも、恋人、夫婦になってくれたのも、すべて他人です。
水、食べ物、電気、ガス、家、通信など、ライフラインを整備してくれたのもすべて他人です。
音楽、芸術、文学、スポーツ、エンターテインメントといった、これまでに感動や生きる希望、勇気を与えてくれたものも、すべて他人がつくったものです。
どれだけ他人のおかげで生きているかを考えてみてください。他人がいるから、自分は生きていけるんです。
他人がいるから、今の生活ができているんです。そう思うと、他人に抱くストレスも少し軽くなりませんか?