皇族は、ある意味での外交官」

「国民あっての皇室。皇室のあり方も、社会の変遷に即応しなくてはいけない」

 皇室と国民とをつなぐべく、メッセージを発信し続けた三笠宮さま。そして長男の寛仁さまも、皇室のスポークスマンとしての姿勢を受け継いだ。皇室メンバーの人権を訴える一方で、まだ保守的な空気が残る70年代にラジオのDJを務めるなどして、皇室の外に向かって発信を続けた。
 

自由に発言しやすい弟宮

 江森さんは秋篠宮さまと、三笠宮さまや寛仁さまとの共通点についてこう分析した。

「やはり天皇陛下は立場上、思い切った発言は難しいように思います。その点、弟の秋篠宮さまや宮家の皇族の方は、まだ、自由に発言しやすいのでしょう」
 

 平成の当時、天皇陛下と皇太子さま、秋篠宮さまは、宮内庁長官の立ち合いのもとで定期的に「3者会談」の機会を設けていた。令和になってから、天皇陛下と秋篠宮さまの「2者会談」が行われたという話は聞こえてこない。

 しかし、江森さんは、いまこそおふたりの定期的な話し合いの場が大切になる、と話す。

「皇嗣である秋篠宮さまは兄天皇陛下をしっかりとお支えし、助けてゆかれるでしょう。コロナ禍が落ち着いて、皇室活動が本格化するいまこそ、ぜひ兄と弟の交流を活発にしていただきたい」

 意思疎通がうまくいけば皇室の諸課題の解決などもよりスムーズに進む。そして、兄弟が力を合わせることで令和皇室はより活性化されるだろうと考える。

 秋篠宮さまの担う「役割」は、今後も大きなものであり続けることだろう。

(AERA dot.編集部・永井貴子)

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