竹増貞信/2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

「コンビニ百里の道をゆく」は、54歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 世の中には「天才」としか評しようのない方が何人かおられますが、中でも私がいま、その才能に大注目しているのが将棋藤井聡太さんです。

 10月に行われた将棋の王座戦、永瀬拓矢王座との対決には感動しました。八冠独占を目指していた藤井さんにとって、ここは絶対に勝ちたいという場面。そんな状況で、彼は本当に落ち着いているんですよね。もう平伏するしかない……という感じでした。

 永瀬王座が苦戦する局面で悔しい様子を隠さないのに対して、藤井さんは微動だにせず、まったく平静な様子で淡々と指し続ける。

 永瀬さんはもちろん、すさまじい勝利への思いでのぞんでおられたでしょう。そして藤井さんも冷静に見えて、実は内面では「絶対に負けたくない」という熱い思いがあったと思います。

 また、永瀬さんの投了後に淡々と対局を振り返るその姿からは、将棋に向き合う真摯な姿勢や、藤井さんの永瀬さんに対するリスペクトも強く感じました。

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竹増貞信

竹増貞信

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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