日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「ワクチン接種の大切さ」について、鉄医会ナビタスクリニック内科医・NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。
* * *
最新の新型コロナウイルスワクチンの追加接種を、アメリカのドラッグストアで済ませた2週間後、およそ11カ月ぶりに日本に帰国しました。
日本を離れた頃は、マスクをすることが当然だった日本でしたが、すっかりマスクなしの日本に戻っていたことに、とても嬉しく思うと同時に、昨年末の出国時はガラガラだった成田空港が、日本人はもちろん、訪日観光客でかなりの混雑だったことに、衝撃を覚えたことは言うまでもありません。
さて、日本への帰国前に耳にし、少々気になっていたのが、日本におけるインフルエンザの流行です。インフルエンザの流行している日本に帰国するというのに、新型コロナウイルスと同日接種しようと予約していたインフルエンザワクチンをキャンセルしてしまい、ワクチン未接種のまま帰国することになってしまったからです。
アメリカでは36ドル
キャンセルしてしまったのは、まだ医療保険への加入が完了しておらず、インフルエンザワクチン接種に必要な費用は36ドルかかることがわかり、「保険に加入できたら、接種しようかしら……」と思ってしまったからです。その後、帰国することが急遽決まり、接種しておけばよかったと思いながらも日本に帰国し、街に繰り出しては、用事を済ませることになってしまいました。