大学生も今年に続いて楽しみな選手が多く、投手では篠木健太郎(法政大)、浅利太門(明治大)、岩崎峻典(東洋大)、坂口翔颯(国学院大)、寺西成騎(日本体育大)、中村優斗(愛知工業大)、金丸夢斗(関西大)、徳山一翔(環太平洋大)、野手では宗山塁(明治大・遊撃手)、西川史礁(青山学院大・外野手)渡部聖弥(大阪商業大・外野手)などが有力候補と見られている。

 今年のドラフトの対象だったとしても、1位競合間違いなしと言われるほどの逸材が金丸と宗山の2人だ。金丸は常時150キロ前後のスピードはもちろんだが、それ以上に抜群の制球力が光り、無四球で二桁奪三振完封というのも珍しくない。リーグ戦では現在18連勝中で、まさに無双状態だ。

 宗山は攻守ともにハイレベルなショートで、下級生の頃から大学ジャパンでも正遊撃手を任さられている。丁寧かつスピードのある守備は観客からどよめきが起こることも多く、打撃も既にリーグ戦通算94安打をマークしており、8本塁打と長打力も備えている。獲得できた球団は、しばらくショートに困ることはないと言われるほどの選手である。高校生の成長次第ということはもちろんあるが、2024年のドラフトはこの2人が中心となる可能性は極めて高いだろう。

 社会人では今年の度会隆輝(ENEOS)のような分かりやすい目玉は不在だ。それでも野手では山田健太(日本生命・二塁手)、下山悠介(東芝・三塁手)など大学時代に注目を集めた選手が1年目からチームの中心として活躍しており、高校卒3年目では福本綺羅(東海理化・外野手)も面白い存在だ。投手はまだ完全な主戦として活躍している選手は少ないだけに、逆に言えば来年次第で一気に浮上してくることも可能だろう。

 11月には高校野球と大学野球は明治神宮大会、社会人野球は日本選手権と大きな大会も控えている。そこでもまた新たな選手が飛び出してくることを期待したい。(文・西尾典文)

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。
 

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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