後楽園ホール大会を楽しみにしている!

 今回の龍魂杯はAとBにプールが分かれていて、それぞれ1日で3試合勝ちあがると決勝に進めるんだが、その各プールの決勝進出者が決まるのが11月6日と11日で、メーンのカードがギリギリまで決まらないという状況だ。メーンのカードが決まらないのにチケットが売れるのか? 決勝が参議院選挙の泡沫候補みたいなカードになる可能性もある。

 海のものとも山のものともわからないレスラーを連れて後楽園ホールに打って出るほど、嶋田家に金はないぞ! ただ、天プロとしては選手に脚光を浴びる場を提供したから、後楽園ホールの大会自体を満足してもらえるか、会場が盛り上がるかどうかは選手の力量次第だ! 

 ということで、11月19日の後楽園ホール大会まで、アサヒスーパードライを飲みながら、楽しみにしているよ。アサヒスーパードライを飲むと、阿修羅・原と試合後に飲んだ頃を思い出す。最近まで日本でもラグビーワールドカップで盛り上がっていたけど、阿修羅が生きていたら、いろいろなメディアに出たり、脚光を浴びていたんだろうなと思うよ。

 日本で初めて世界選抜に選ばれた選手だからね。阿修羅はそんな世界を知ってるから“嘘をつかないプロレス”を心の糧にしていて、チャラチャラしたことをしようものなら「こんことをしているとプロレスはナメられる!」とずっと危惧していた。

 その考え方が俺と一致して、二人で一生懸命、真正面からぶつかるプロレスをやろうと舵を切ったんだ。それを見た三沢たち四天王が継承して形にしてくれたと思うし、天龍プロジェクトの選手もそうであってほしいと願っている!

(構成・高橋ダイスケ)

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天龍源一郎

天龍源一郎

天龍源一郎(てんりゅう・げんいちろう)/1950年、福井県生まれ。「ミスター・プロレス」の異名をとる。63年、13歳で大相撲の二所ノ関部屋入門後、天龍の四股名で16場所在位。76年10月にプロレスに転向、全日本プロレスに入団。90年に新団体SWSに移籍、92年にはWARを旗揚げ。2010年に「天龍プロジェクト」を発足。2015年11月15日、両国国技館での引退試合をもってマット生活に幕を下ろす。

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