2月の誕生日ショットはこちら!(天龍源一郎オフィシャルInstagramより)/天龍源一郎が主峰するプロレス団体・天龍プロジェクトpresents'第3回『龍魂杯』11月6日新木場1stRING大会、第3回『龍魂杯』11月19日後楽園ホール大会など大会情報、チケットのお求めは天龍プロジェクト各種SNS、HPなどでご確認いただけます。◆天龍プロジェクト公式Webショップhttps://www.tenryuproject.jp/

 当日、俺が後楽園ホールに来ていることは元子さんと(和田)京平ちゃんしか知らなかったんだ。京平ちゃんが控えている俺のところに来たときに「俺がカムバックして、ブーイング浴びないかな?」なんて心配していたら、京平ちゃんは「大丈夫だよ」って慰めくれてね。そんな心配をしていた分、あのときの観客の声援と温かさは忘れられない。

 正直、全日本を離れて10年、わだかまりはあったんだ。どこかで10年間ずっと「育ててもらったのに、出ちゃったな」っていう気持ちがあったし、馬場さんの葬式にも行けなかったしね。

 だから、ファンが歓声で迎えてくれて、全日本のために頑張ろうという気持ちになれたんだ。元子さんと握手するときは緊張したし、泣きそうだったよ。あのときの後楽園ホールのどよめきはいつまで経っても印象に残っている。

 後楽園ホールの客はボクシングをはじめ、いろいろな格闘技を見ているから、目が肥えていて、斜に構えている人も多いんだ。その斜に構えて座っている客をリングに対して真正面に向けるのが大変だ。

レスラーにとってシビアな環境

 客は1000人ちょっとくらいで、プロレス好きな人がわざわざチケットを買ってくる場所だから、下手をこいたらすぐわかるし、盛り下がることだってある。レスラーにとってはシビアな環境だし、レスラーのプロレスに対する本音、性根が見える会場でもあるんだ。

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真正面からぶつかれ