パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間見ていると目が疲れるという経験はないだろうか? この原因とされるのが「ブルーライト」だ。ブルーライトとは、380~495ナノメートルの波長の可視光で、網膜まで届く強いエネルギーを有するものを指す。多くの液晶画面には発光ダイオードがバックライトとして使用されているため、ブルーライトを強く発生させているのだ。また、ブルーライトは目の奥で散乱しやすいため、長時間見ていると視界のチラつきやまぶしさを感じさせ、目の疲れや生体リズムへの影響や頭痛などの症状を引き起こす原因といわれている。
そこで、今すぐできるブルーライト対処法をいくつか紹介しよう。
■パソコンの設定を変えてみよう!
最も簡単で、安上がりで、今すぐにできる対処法が、パソコンディスプレーのグラフィック設定を変えることである。Windows7を例にとって、その方法を説明しょう。
まず、デスクトップ上でマウスを右クリックし、「グラフィック プロパティ」を選択。インテルグラフィックのコントロールパネルが表示されるので、「詳細設定モード」をクリックしディスプレーメニューから「色調整」を選択する。
プルダウンメニューから「青」を選択し、下記値にスライドバーで設定を変え、「OK」を押す。変更するのは明るさのみだが、念のため、変更前の数値を記録しておくと元に戻す時に便利だ。
<推奨設定値>
明るさ=‐20
少し画面が暗くなったような印象を受けるかもしれないが、慣れれば目に優しい感じになっているのがわかるだろう。もし、合わないという場合は数値を変更して微調整をしていただきたい。
■スマホは無料アプリで対応しよう
次はスマホだ。こちらも、無料アプリで即対応できる。「ブルーライト軽減フィルター(android版)」(Hardy-infinity社)は自然な色合いのフィルターをかけることで、スマホのブルーライトを軽減するアプリだ。
セピア色のブルーライトプロテクターで、画面の明るさを暗くせず青色の輝度を抑え、スクリーンを見やすくする仕組みなので小さな字もハッキリ表示される。また、ブルーライトのカット率を高めて画面を暗くすると、「のぞき見防止」の効果もあるという。使い方は、5色のフィルターから好きな色を選んで、明るさを調整し、ブルーライトのカット率を指定するだけ。通知領域からフィルターを操作することもでき、タブレットにも対応している。
「目の痛みが少なくなりました。これを使用するとスマホの消費電力節約にもなりますね」と、ユーザーの評判も上々だ。
「視力保護ブラウザ for iPhone(iOS版)」(開発者Sho Kurozumi)は、ブルーライトをカットする機能を有したブラウザだ。ネットの画面を長時間見たり、操作したりする際に目が疲れないようフィルターをかける仕組みで、通常版は無料でダウンロードできる。
ユーザーによると「ブラウザアプリで検索していると目が疲れてきますので、このアプリが重宝します。特に寝る前など、強い光を避けたい時に使うようにしています」とのこと。どちらも無料なので、一度試してみてはいかがだろう。
■クリップオンタイプのメガネで青色光をカット
今まで紹介した対処法は無料ということで、効果面を疑う向きには、こちらのアイテムはいかがだろうか。
100円ショップでブルーライトをカットするメガネが売られているが、眼鏡を使っているユーザーの場合、眼鏡の上からメガネをかけるという、いささか格好の悪い状況になってしまう。そんな時に便利なのが「ブルーライトカット仕様 PCメガネ クリップオンタイプ DN-10076」(上海問屋)だ。今、使っているメガネの上からクリップで付けられるタイプで、ブルーライトを30%カットし、紫外線も99%カットできるという。
実際に使っているユーザーは、「10gと軽いのであまり気にならないです。前より目の疲れが軽減されたような気がします。使わない時は跳ね上げておけばいいので、便利ですね」とメリットを話す。メガネを使っているユーザーにおススメの一品である。
最後に、ブルーライト対策グッズについて家電量販店のスタッフに聞いてみた。
「スマホやタブレットでしたら、ブルーライトカット機能付きの液晶保護フィルムが販売されています。価格も1000円くらいからありますので、こちらをおススメしております」
現状、パソコンやスマートフォンを生活から切り離すことは難しい。だが、体に影響が出てからでは遅い。ライフスタイルや予算に応じた方法で、ブルーライトから身を守ろう!
(ライター・中森勇人)