
「成長できそうで、給与が高いということで人気のコンサル会社ですが、今は理系の学生からも注目されています」
IT事業に力を入れるアクセンチュアは、2年前(21年卒)のアエラの集計と比べて、51大学の23年卒の採用者数を200人も増やした。慶應義塾大、早稲田大、東京大、京都大などのトップ大学の学生が多いだけでなく、名古屋大、筑波大、上智大、学習院大からの採用者数も2年前と比べてそれぞれ10人以上増加している。
DX関係あるいはIT企業に採用される学生は、情報学部やデータサイエンス学部といった理系の学生にとどまらない。
「情報工学を学んでいなくても、課題を発見して解決する能力のある難関大の学生が採用されています」(井沢さん)
明確な「山場」はない
システム構築などの高度な技術を要する仕事は、大学で専攻していた人が担うが、文系の学生でも、入社後にプログラミング研修を受けてシステムエンジニアとして活躍するようなケースも増えているという。
「文系からもIT企業に就職する時代になりました」(井沢さん)
こうしてIT業界の採用者数が大幅に増えたことが、就活の早期化につながった。
ディスコ研究員の松本あゆみさんは言う。
「もともと採用時期が早いIT業界が、採用人数を増やすと、どうなるでしょう。他の業界からすると、優秀な学生をIT業界に取られてしまうと焦ります。そして、『自分たちも少し早めよう』と動いているのが、ここ1、2年のことです」
早期化の要因は、IT業界だけではない。今後、学生の人数はどんどん減っていく。どの業界も、他社に先駆けて有望な人材を採用したいと考えているのだという。
それに伴い、就活の「山場」はなくなりつつある。ディスコによると、企業の面接開始時期は、17年卒は4月中旬、6月上旬が明確な山場だった。ところが、24年卒は大きな山がない。3月上旬から4月中旬に増えたまま、小さな上下が長期間にわたって続く。
「かつては解禁の月に面接が始まり、その大きなピークを越えた後、夏採用、秋採用といった山場がありました。でも今は毎月選考会を開く、実質的な通年採用に近い企業もあります」(松本さん)
(編集部・井上有紀子)
※AERA 2023年10月23日号より抜粋








