イラスト:サヲリブラウン

 彼女は私が4年生の時の1年生。つまり、年の差は3歳。いまとなっては誤差の範囲ですが、当時は新1年生がみんな可愛くて可愛くて、とてつもなく離れているように感じていました。いらぬ先輩風を吹かせていたかもしれません。

 大学卒業後、彼女は会社員として仕事をしながら音楽ライターの活動も始め、洋邦を問わず多くのアーティストにインタビューしたり、アルバムの解説を書いたりしていました。ライター業は子育て中の現在も続けています。それだけでは飽き足らず、最近は大学に入学し、通信で資格を取ろうと奮闘中だとか。バイタリティーに圧倒されます。

 いまとなってはほぼ同世代と思ったけれど、やはり3歳の年の差にパワーの差が出ると痛感しました。だって大学に入りなおして勉強する力、私にはまったく残っていないもの。あ、ちがう。その能力は18歳のときから備わっていなかったんだわ。とほほ。

AERA 2023年10月23日号

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