埼玉県虐待禁止条例改正案を提出した自民党県議団は10日、撤回を決め、会見を行った

 このほど、自民党埼玉県議団が小学校3年以下の子どもだけでの外出や留守番を禁じ、見つけたら通報するように定める条例案を提出し、批判を受けて取り下げました。しかし「内容に問題はなかった」という見解を示しています。子どもの虐待防止と銘打ちながら、子育てを社会で担うのではなく、親に一手に担わせるべく強制するような内容です。共働き核家族の実態から乖離(かいり)したこの条例案の根底には、仕事も家事も育児も実質的には母親が自助で全てをこなすべきであるという認識が窺(うかが)えます。男性育休や女性の労働市場進出をいくら進めても、「男はソト、女はウチ」という根深い価値観を改めねば格差解消はかないません。

AERA 2023年10月23日号

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